町を徘徊時に保護されたシニア犬、極端な男性嫌いだった 次第に心を許し、長期旅行に行けるほど懐いた

山中 羊子s 山中 羊子s

 岡山に住むウホ吉さん夫妻が初めて迎えた犬は、事情があって友人から譲り受けたワイヤーダックスのハウルくん。その3年後には子犬のワイヤーダックスの雅ちゃんを新たに迎え、わんこ生活を楽しんでいました。

 「妻は初めて犬を飼ったのですが、幸いハウルはしつけができていて、そんなに困ることがありませんでした。ハウルがうちに来たのが3歳。できれば子供が欲しいなと思って迎えたのが子犬の雅です」

 ただ、やはり繁殖は難しかったようで断念。でも、ハウルくんと雅ちゃんは大の仲良し。2匹を連れて、旅行好きのウホ吉さん夫妻はよく旅行に出掛けました。

 基本、犬連れの車旅行で車中泊です。北海道には3カ月の長期旅行にも出掛けました。「当時、カメラマンに転向して、自然が好きなので撮影も兼ね、キャンピングトレーラーを引っ張っての旅行でした」

 しかし、2017年、ハウルくんが病気で亡くなってしまいました。大きな存在だったことを改めて痛感。ウホ吉さん夫妻はもちろんのこと、雅ちゃんも寂しがったので翌年、新に犬を飼うことにしました。

 「その時は保護犬を迎えようと決めました。保護団体のサイトでワイヤーダックスを探して、この子と思った子がいたので奈良まで見に行きました」

 面会で実はミックスと分かったのですが、可愛さにひとめぼれして迎え入れることに。資料では推定10歳のオス。すでにロンと名付けられていました。

町を徘徊していたところを保護されたロン、男性に対して恐怖心が…

 家に来て、奥さんにはすぐになついたロンくんでしたが、やはりこれまでの犬と違い、警戒心は強く、最初は扱いに悩んだウホ吉さん夫妻でした。

 「ご飯を食べてくれない。すみっこに隠れる。トイレをあちこちにする…。いろいろ大変でした。特に僕に対しては寄ってきてもくれませんでした」

 預かりボランティアさんのところでも、旦那さんには懐かなかったらしく、おそらく、徘徊しているときに男性から暴力を受けたことがあったのかもしれません。

 幸い、雅ちゃんとは仲良く過ごしてくれたので、車旅行にも連れていきました。

 「最初は車で暴れる。トレイをする、って大変だったんですけどね」

 しかし、これも笑い話。その後はウホ吉さんの寝袋に潜り込んでくるほど甘えん坊に。ロンくんは次第に心を許し、近場の旅行にも慣れてきたことで、雅ちゃんと一緒に長期の北海道旅行にもでかけました。

 「家に来た頃にはすでに歯もなくて、いわゆるシニア犬だったのですが、推定14歳の今でもめちゃくちゃ元気。食欲旺盛、走り回っています。ただ、水が大好きで川に飛び込む雅と対照的に、ロンくんはちょっと水が苦手なんですけどね」

 コロナが収まれば、またキャンピングトレーラーをひっぱりみんなで長期旅行に出かけたいと話すウホ吉さん。きっと、ロンくんも心待ちにしていることでしょう。

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