「水中にいるワモンアザラシの前肢を触るトレーニングをしている時、アラレはなぜか手をぎゅっとつかみ、熱い視線を送ってくれます。
これは飼育員でもついかわいい……。と言ってしまう。。。」
こんなコメントとともに投稿されたワモンアザラシのアラレちゃんの写真が「かわいいいー💕」と、21.9万以上もの“いいね”がついて話題になっています。そこには、バックハグされたアラレちゃんが、飼育員さんの手をつかみながら大きなうるうるの瞳で見上げているみたいな姿が写っています。投稿した大阪・海遊館(@Osaka_Kaiyukan)に話を聞きました。
ツイートのリプ欄には、
「目がまん丸で本当に可愛いです❤️」
「あざとい…!」
「これは恋に堕ちるやつ」
「そして俺も『可愛い』と言ってしまう」
「まんまるおめめはもちろん可愛いけど おててがたまらなく可愛い、、💓💓」
「可愛いすぎます🥺❤️ 飼育員さんが羨ましいです🥰」
「可愛すぎる……可愛すぎて多幸感で脳が満たされていきます……これが悶絶か」
などとコメントが集まり、心を射抜かれてしまう人が続出しています。
アラレちゃんは推定17歳のメスで、水中から顔だけ出して瞑想しているかのようにぷかぷか浮かんでいる姿が人気です。海遊館にはほかに3頭のアザラシがいます。同じトレーニングをしている様子を、ツリーで全頭紹介していますが、どの子もなんとも個性的。ですが、キュートにこなすのはアラレちゃんだけのようです。飼育担当者さんにお話を聞きました。
──飼育員さんも「かわいい」と言ってしまう気持ちがわかる写真です。普段ここまで近くでじっくり見ることのできない瞳孔にも注目が集まっていました。ワモンアザラシは視力が良いのでしょうか。
ワモンアザラシは飼育している施設が少なく、視力に関する情報は見つかりませんでしたが、他のアザラシよりも眼が大きい事から、アザラシの中では比較的視力は良いのかもしれません。
ワモンアザラシは、極夜にも生息しており、暗い中では光を受光するために目が大きくなる傾向があります。
──前肢を触るトレーニングの目的は?
怪我の有無や爪の状態を確認しています。お食事タイムの際にトレーニングをご覧いただけます。
──可愛いと思っていたら、トレーニング時間が延びてしまったなんてことは?
餌の時間はお客様からは微笑ましい様子に見えるかもしれませんが、飼育員にとっては、普段近くで見る事が出来ないアザラシの状態を確認する貴重なタイミングなので、可愛いと感じる余裕は想像よりも少ないと思います。
また、餌の取り合いを避けるため一頭ごとに終わる順番が決まっていますので、必要以上に長くなることはありません。
──真剣勝負なのですね。トレーニングのご褒美は?
飼育員の出した指示にきちんと答えることが出来ればご褒美に餌を貰えます。餌はシシャモ、イカナゴ、ニシン、アジの4種類の魚を1日あたり2~3キログラム与えています。
──体も大きいからたくさん食べますね。アラレちゃんの眉毛は、いつもカールしていますが癖毛なのですか?
左の眉毛が一本だけカールしているのは完全に癖毛で、生え変わっても毎回同じ一本だけがカールして生えてきます。
──直してあげたくなっちゃいます(笑)。ワモンアザラシは、どんなところを観察するのがおすすめですか?
「北極圏」水槽ではワモンアザラシの水中・陸上の両方の様子を観察して頂けますので、泳ぐ姿や陸上を移動する姿の違いを観察したり、また、1頭ごとの特徴を捉えて個体ごとの魅力を見つけて頂くのも面白いところです。
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【アラレちゃん以外の海遊館のワモンアザラシ個体情報】
ユキ:雌・推定14歳 とても食いしん坊な性格。寝ている時の体が角度によっては真ん丸に見えることから「丸すぎるアザラシ」と呼ばれることも。腰にハート型の模様がある。
モヤ:雄・推定14~15歳 顔にシワがあり、怒っているように見えるがシワは成熟した雄のワモンアザラシの特徴で怒っている訳ではない。基本的におとなしいがとらえどころが無い少し不思議な性格。
ミゾレ:雄・1歳 海遊館で初めて繁殖に成功したワモンアザラシ。出生直後に体調を崩したことから、国内初の完全人工哺育で育つ。人に育てられたためか、人と遊ぶのが大好きなアザラシ。アラレとモヤの息子。
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海遊館では夏休み中にさまざまなイベントをおこなっています。そのうち「パーソナルバックヤードツアー」と「ジンベエバックヤード」はまだ参加が可能だそう(空きがあれば当日参加も可)。そのほか、涼しげなジンベエザメモチーフのフードメニューも充実しています。
また、6月にジャンツーペンギンとアシカの赤ちゃんが生まれています。どちらも可愛い盛りを観察できます。アシカの赤ちゃん2頭は愛称募集中です。