関西トップのターミナル駅である、大阪府大阪市の梅田駅までアクセスしやすい街にある賃貸物件の家賃相場が安い駅といえばどこが狙い目なのでしょうか。「シングル向け賃貸物件」を対象に、梅田駅から電車で30分以内の家賃相場が安い駅を調べたところ、同率1位に選ばれたのは大阪府寝屋川市にある「萱島駅(京阪本線・梅田まで21分)」と、同じく寝屋川市にある「寝屋川市駅(京阪本線・梅田まで25分)」で家賃相場は3.70万円でした。
株式会社リクルートが運営するニュースサイト「SUUMOジャーナル(スーモジャーナル)」が2022年2月~4月の期間に実施した調査で、不動産・住宅情報サイト「SUUMO」に掲載された「梅田駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)」にある物件で、駅徒歩15分以内・10平米以上~40平米未満・ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)を対象に、管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3~18万円で設定)し、ランキングを作成したといいます。上位に入った注目の駅は以下の通りです。
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「梅田駅まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング」の1~3位には京阪本線の駅がランクイン。京阪本線は大阪市中央区の淀屋橋駅を基点に、ビジネス街の京橋駅や京都市の繁華街の祇園四条駅などを経由して京都市の三条駅までをつなぐ都市間路線。大阪中心部への通勤・通学路線ですが、沿線には現存する遊園地で最古の「ひらかたパーク」や、京都の伏見稲荷大社や清水寺など有名な観光地も数多いといいます。その一方で、大阪の2大ターミナル駅である梅田駅と難波駅には直通しておらず、どちらへ向かうにも乗り換えが必要なことが、家賃が割安な理由の一つかもしれないそうです。
同率1位になった「寝屋川市駅」(梅田まで25分・家賃相場:3.70万円)と「萱島(かやしま)駅」(梅田まで21分・家賃相場:3.70万円)は、ともに京阪本線沿線で寝屋川市に位置しており、特に「寝屋川市駅」は寝屋川市の中心駅で、快速急行や通勤快速も停車。市役所や警察署などの公共施設が周囲に集まっており、家電量販店やホームセンターなどの大型商業施設も充実しているそうです。
駅近くにはアーケード街が延び、できたての料理を配達してくれる飲食店や雰囲気の良い喫茶店、各種の小売店などが約250mにわたって軒を連ねる大利(おおとし)商店街や寝屋川一番街商店街、レトロな風情の日之出商店街があり、魅力的な個人経営の店も多いそうです。大阪府東部の寝屋川市は古くから穀倉地帯であり、京阪間のベッドタウンとして発展した現在も緑が多く残っているといいます。
駅と並行して流れる寝屋川沿いでは再開発も行われており、道幅を3倍以上にして歩道を整備し、電線も地中化する都市計画が進行中。大阪電気通信大学と摂南大学の寝屋川キャンパスや、大阪公立大学工業高等専門学校への最寄駅であり、学生街としての顔も。そうした学生向けの単身者用物件も充実していますが、教育機関の多さから、ファミリー層からの人気も高いといいます。
ランキングは大阪府内の街がほとんどですが、唯一兵庫県に位置するのが、同率3位の「武庫川団地前駅」(梅田まで30分・家賃相場:3.80万円)。所在地の西宮市は、「SUUMO住みたい街ランキング2022関西版」の「関西住みたい自治体ランキング」で1位の自治体です。
「武庫川団地前駅」は阪神武庫川線の終点駅で、周辺は閑静な住宅街。印象的な娯楽施設があるわけではないものの、スーパーなどは充実。市立図書館の高須分室も近く、小洒落た雰囲気の喫茶店なども点在しており、駅付近には病院も多くあるので安心です。
駅名にもなっている武庫川団地は、5500世帯を超える西日本最大の団地。広大な敷地には4つのエリアがあり、保育所から高校までの教育施設やショッピングセンター、市役所の分室などもあります。あちこちに公園も点在しており、野球場やテニスコートなどもそろっているそうです。
武庫川線は武庫川と並走していますが、「武庫川団地前駅」は武庫川が流れ込む大阪湾が近く、自然豊かな印象。大阪湾沿いにある鳴尾浜臨海公園は海が一望できる広大な芝生広場や海づり広場があるほか、近くには天然温泉が楽しめるスーパー銭湯もあります。
注目は9位の「俊徳道(しゅんとくみち)駅」(梅田まで29分・家賃相場:4.30万円)。近鉄大阪線の駅で普通列車のみの停車駅ですが、急行が停車する隣駅の布施駅との距離は約1.2km。物件の立地によっては急行も利用できそうです。また、俊徳道駅は同名のJRおおさか東線の駅と隣接しており、2路線使用できるそうです。
JRおおさか東線は2019年に新区間が開業して、新幹線の停車駅である新大阪駅まで乗り換えなしで行けるようになっており、交通利便性のよさとお手ごろな家賃のバランスがとれたエリアといえそうです。周囲は住宅街が広がり、落ち着いた雰囲気が漂います。駅前は最近整備が終わり、JRとの間に屋根のある動線もできて安心感があるといいます。
JRおおさか東線の新区間開業にともない、近年はおしゃれな店なども増えています。また所在地である、ものづくりの街としてしられる東大阪市ならではといえそうな、レンズメーカーがカフェも併設するショールームなど、個性的な店舗も点在しているそうです。
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調査を行なった同サイトは、「梅田駅は、JR大阪駅北側の再開発『うめきた2期地区開発プロジェクト』が進み、2023年には関西国際空港に直結するJRの新駅が開業予定。そんな梅田駅まで便利で価格も抑えられる狙い目の部屋を見落とさず、自分にフィットする部屋を見つけてみてください」と述べています。