鏡を見ていた時にふと見つけた、こめかみあたりできらっと光る1本の髪の毛。髪をかきわけてみると、出てきたのはピョンと飛び出る白髪でした。20代後半に差し掛かり、「これから増えてくるだろうな」と考えながらほかの白髪を探しているとき、ふと疑問が。「白髪染めっていつから使うべきなんだろう」。
今回、記者が見つけたのは1本だけ。でもこれから増えてきたときにどのタイミングで白髪染めを使うべきなのでしょうか。そんな疑問を解決すべく、ヘアカラー剤などを製造・販売するメーカー「ホーユー」(本社:愛知県名古屋市)のコンシューママーケティング本部 商品企画二課・浦山さんに疑問をぶつけてみました。
使い始めるタイミングって?
ーーまず、白髪染めとオシャレ染めのカラー剤の違いを教えてください。
「オシャレ染めのカラー剤というのは、髪全体を明るくして色を楽しむものが一般的です。一方、白髪用は前提として白髪にしっかり色を入れて染めるものが主流になっているので、染料はより濃い色になります。
また、オシャレ染めだとピンク系など色を楽しむようなバリエーションですが、白髪染めは白髪に色をしっかり色を入れるのが目的なのでブラウン系やブラック系が中心と、色が限られてくるのも違いですね。とはいえ、最近は白髪染めのカラーバリエーションも増えてきています」
ーーでは、白髪染めを使い始めるタイミングは。
「メーカーとして具体的にいつからとは決めていないんですが、消費者調査のデータを見ると、35歳という年齢がターニングポイントになっています。このくらいの年齢になると、白髪のある人が70%を超えるほか、白髪が気になる人の割合も50%を超えてきます。気になってどうにかしたいと思う人が増えてくるというのが、意識としての実態ですね。
あとは、女性の約7~8割がヘアカラーリングされているんですけれども、オシャレ染めだと白髪が目立って気になってきたタイミングで白髪染めにシフトしてもよいかと思います」
ーー使いだすのは少しだけ勇気がいりますね…。
「確かに、『橋をこえる』『決意がいる』という方も多く、心理的なハードルが高いのかもしれません(苦笑)。そういう意味では心理的にも染まりもソフトなカラートリートメントという選択肢もありますよ」
ーーカラートリートメントですか。
「トリートメント代わりに使いながら、複数回に分けて色を入れていくものです。徐々に染まっていくので失敗が少ないですし、髪や地肌にもやさしいので、初心者の方にちょうどよいかと。
シャンプーの後にトリートメント代わりに使うものや、お風呂入る前に髪につけてから何分か待って洗い流すタイプもあります。チューブから手に出して直接髪に塗布できるので手軽ですね。
あとは、出かけるときにちょこっと白髪が気になるときは、ヘアマスカラのような一日だけ隠すタイプがおすすめです。出かける直前に鏡を見て『やばい!』というときにも便利ですよ。ポーチに入れておけば、出先でもササッと直せますし。本格的な白髪染めにも櫛に出して使うものや泡タイプがあり、初心者の方には泡タイプをお勧めしています」
カラーはどれがおすすめ?
ーー色選びはどうすれば?
「最近は、美容院とセルフヘアカラーを併用している人が多いです。そういう方だと、美容院で染めている色よりほんの少しだけ明るい色を選ぶとよいかと。
髪の染料って意外に抜けづらくて、濃く染めた色を明るくするのは難しいんです。なので、自宅で白髪染めをする際は髪の色より少し明るめを選ぶと、次美容院にいったときにスムーズかと思います。ちなみに、明るめの色は3週間くらいで黄色っぽくキラキラと浮いてくる場合もありますが、濃い色は割と長持ちしますね」
ーー染め直すタイミングはどれくらいがおすすめですか。
「具体的に期間は定めていませんが、毎回全体を染めているとダメージが気になる方もいると思うので、例えば全体を染めた後は、ふた月ほどして根元が2センチくらい伸びてきたときに根元だけクリームタイプのリタッチしやすい商品で染めるとよいかと思います」
ーーより色をキープするためのコツは?
「アミノ酸系の髪にやさしいシャンプーを使ったり、入浴後にドライするときはオイルなどをつけてからケアをすると、より長く色持ちすると思います」
ーーありがとうございました!
◇ ◇
個人差はあると言えど、35歳がターニングポイントになっているとは驚きです。また、一言で白髪染めと言ってもニーズに応じてさまざまなタイプがあるんですね。こめかみなどピンポイントで白髪が生える、こまめに根元をリタッチしたい、一気に染めて失敗するのが怖いなど、悩みはそれぞれ持っているはず。髪の状況や使いやすさに合わせて選んでみてくださいね。
9月5日には新しく「シエロカラートリートメント」も発売されるそうです。一度に染めて失敗したくないという方は試してみてはいかがでしょうか。