「眠くてなかなか起きられないミナミコアリクイのアーリーくん。人間みたいでかわいいですね~♡︎」と、栃木県にある那須どうぶつ王国(@nakprstaff)の公式ツイッターで紹介されたのは、ミナミコアリクイのアーリーくん(オス・9歳)です。ぼんやりと視線を漂わせる姿は、まるで人間みたい…。
ゆったりとまどろむ姿に、癒された人も多数。「日曜日のお父さんと一緒だね(笑)」「絶対人はいってる」「お母さんに起こされる人間の子供みたいね。寝ぼけ眼で飼育員さんを見る顔が可愛い」「私も夏の寝起き大体こんな感じ」「毎日暑いし、なんにもしたくないよね~」といったコメントが寄せられたこの動画について、担当飼育員に話を聞きました。
実は寝起きがよくないアリクイさん
「アーリーおはよう、眠いね。起きて」と優しく声をかけながらこの動画を撮影したのは担当飼育員さん。いつも、こんなにやさしく起こしてもらえるのかと尋ねると「スタッフによりますね」とのお答えが。この日は、やさしい飼育員さんに当たったようです。
ミナミコアリクイは夜行性。日中は寝ていることが多いそうで、アーリーくんだけではなく、全体的に寝起きが良くないのだとか。この時は、ごはんの時間ということで、声をかけて起こしたようです。
おなかを天に向けた“ヘソ天”状態のアーリーくん。とても無防備に寝ているように見えますが、いつもこのような寝相なのでしょうか。飼育員さんによると「気温が高い日は、ああやっておなかを出していることが多いですね」とのこと。動画の途中では「ごはんだよ」という言葉に反応しているように見えますが、特に意味は理解していないもよう。
ミナミコアリクイの主食は、アリなどの小型の昆虫なのだそうですが、園でも虫を食べているのか、飼育員さんにたずねると、「園では、虫を主食とする動物用のペレットをふやかしてペースト状にしたものや、アボカドやバナナのペースト、ヨーグルトなどを食べています」と、教えてくれました。ミナミコアリクイには歯が生えていないため、約40センチもある舌を使って、器用にペーストをなめとって食べるのだそうです。
スプーンをあやつる食いしん坊
2015年に来園したというアーリーくん。同園には5頭のミナミコアリクイがおり、毎日交代で1頭が展示されています。
「うちのコたちは、ミナミコアリクイの中でも北寄りに生息している亜種で、同種の特徴である黒いベストを来ているようなもようが薄いです。中でもアーリーは特に色白で、そこがチャームポイントでもあります」と、飼育員さん。
食いしん坊なアーリーくんは握力も強く、来園当初はスプーンを持って器用におやつを食べる姿が話題になりました。動画では器用にスプーンを受け取って、おいしそうにおやつのアボカドをなめている姿が披露されました。夢中になりすぎて、たくさんお顔についているのも、ご愛嬌ですね。
「爪の使い方が器用なので、たまたまスプーンを持った所で好きなエサを与えています。現在、長時間できるようにトレーニング中。あと1頭、これができる個体がいて、ほかの個体も現在練習中です」。
ちなみにアリクイの手には鋭いかぎ爪があり、野生ではアリ塚をこわしたり、攻撃をするときに使うのだそうですが、アーリーくんは、体をかくのにも使うそうです。なんとも平和な使い方ですね。
「那須どうぶつ王国」
住所:栃木県那須郡那須町大島1042-1
電話:0287-77-1110
公式ホームページ:https://www.nasu-oukoku.com/
Twitter:https://twitter.com/nakprstaff