「スニーカー裏の溝に挟まった小石収集、1年分」総数212個を並べた写真が話題「これを思いつくのは天才」「有意義な人生を歩んでいる」

山本 明 山本 明

 「1年前の2021年6月22日に始めた『スニーカー裏の溝に挟まった小石収集』の結果。」という文言とともに、Twitterに投稿された方眼紙の上に綺麗に並べられた小石の画像が注目を集めました、粒のそろった小石が等間隔に並ぶ様子に思わず見入ってしまいます。それにしても、普通なら気づきもせず、確かめようともしない場所の小石の存在に、なぜ注目したのでしょうか?投稿主である、ネルノダイスキ(@nerunodaisuki)さんに、お聞きしました。

 ふだんは漫画やイラストを描く仕事をしていて、近作では「いえめぐり」(KADOKAWA)という単行本が発売中だというネルノダイスキさん。話題になったツイートに続けて、溝に挟まった物の詳細とその数を以下のように書いています。

「小石179個。
ガラス片32個。
ナット1個。
計212個。」

 さらにネルノダイスキさんは、この一年間の収集結果について、以下のように振り返ります。

「溝の太さが一定なので自然と粒が揃ってる。
収集は3.4日に一度。毎日していたら結果は違ったかもしれない。
左右別々に収集しても面白かったかもと今更ながら思った」
(「ネルノダイスキ」さんのツイートより抜粋)

 この風変わりな美しさのあるコレクションに「これを思いつくのは天才」「なんて有意義な人生を歩まれておられるのかと感動してしまいました。…視点に発想、行動力が素晴らしいです」などとその着眼点を褒める声や、「尊敬 詰まった小石…自分は憎くて捨てたいと思ってしまう…受け止めて、並べて、美しさを楽しむ…すご過ぎ」とその感性の柔軟さを讃える声などが届いています。

 ネルノダイスキさんが最初に、スニーカーの裏溝にはまった小石に気づいたときはどんな気持ちだったのでしょうか。そしてどうしてそれを集めよう、と思ったのでしょうか…?

スニーカーを履いていてわずかな違和感があったのがきっかけ

――なぜ、スニーカーの靴裏の小石に気づかれたのでしょう?何か違和感があったのですか。

 はい、歩いてて少しスニーカーの靴底が地面に引っかかるような違和感がありました。それと歩いている時の音がすこしだけ変わったのに気づきました。

――そうだったのですね。そのうえで、違和感の正体である小石を「捨てる」のではなく「集めよう」と思ったのは?

 先ほども述べましたが靴の裏の溝に挟まった小石が歩くたびに地面にぶつかり、かすかに「カチッ」という音がするのに違和感を感じ、帰宅してスニーカーの裏を見たら小石が挟まっていることに気づきました。

 最初は捨てるつもりでしたが、数種類の小石とガラス片があることに気づき、なんとなくただ捨てるのがもったいないと感じたことがきっかけでした。それで「これをたくさん集めたらどうなんだろう」と思いたち小瓶に入れました。その時は「一年集めよう」とか具体的な目標はなかったです。

どの小石も拡大して見ると、それぞれの形や質感の良さがある

――特に気に入っている「一個」はありますか?

 特に「これが1(位)」という一個はなく、どれもよくよく拡大してみるとそれぞれの形や質感の良さがあって好きです。

――いつもはラムネの入っていたケースに小石を入れているそうですね。

 机の上の端っこに置いています。取り出すことはあまりないのですが、たまに振ったりするとマラカスのようなカシャカシャした軽い音がするのが好きです。

――投稿に反響があり、多くのコメントが寄せられました。

 引用RTでのコメントになりますが「日銭を稼ぐために生きるんじゃなくて、こういうことするために生きたい。」というのがとても印象的で好きなコメントでした。

   ◇   ◇

 池に投げ込んだ小石の波紋が、思いもよらないほど遠くに広がるように拡散された今回のツイート。この収集による気づきについてネルノダイスキさんは、「今回のこの行為とその結果がなにかすぐに創作活動に影響するかというと、今のところその予定もないし、正直まったくわかりません。ですが、こうやって一年かけて集めた小石に多くの人が何かしら反応を示したり面白がってくれた、ということに何かすごく興味深いもの」を感じているそうです。

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