建築現場の資材の中にいた子猫
むぎちゃん(生後2カ月・メス)は、2022年3月29日、建設現場の資材の中にへその緒がついた状態で発見された。子猫は全部で3匹いたという。
東京都に住む岩田さんの夫は、その現場で働いていたため子猫たちを見つけた。新築で、引き渡しのための最終確認と片付けをしている最中だったので、子猫たちは保健所に引き渡すようにと上から指示されたそうだ。岩田さんは夫から、「どうにか我が家で引き取れないか」と連絡があり、「2匹なら」と返事をした。1匹は同僚が引き取りを申し出たという。
まだ生後間もない時期だったので、ひとまず動物病院に託した。「残念ながら2匹は1週間で亡くなってしまいました。一番小さかったむぎだけが生き抜き、我が家で迎えることにしました」
岩田さんは、2021年9月、子供の頃から一緒に暮らしてきた猫の風太くん(享年19歳)を亡くしていた。「いつかご縁があれば、また猫を迎えられたら」と思っていたところだった。
好奇心旺盛な子猫にヤキモキ
4月16日、岩田さんはむぎちゃんを迎えた。生後2週間。最初は、子猫の世話の仕方が分からず、全て手探りだったという。
「便の出し方や哺乳の仕方など、ネットで検索しつつ試行錯誤しながらお世話しました。初めは息をしているか、寒くはないかと気になり、夜も1時間おきに起きて様子を確認しないと安心できないほどでした」
風太くんを飼っていたので、むぎちゃんを迎えてもそれほど大きな変化はなかったが、風太くんはおとなしくて、脱走やつまみ食いもせず、粗相もしなかった。しかし、むぎちゃんは子猫。なんでもおもちゃにしてしまうし、好奇心旺盛で小さな隙間にも入っていった。岩田さんは、台所など子猫にとっての危ない環境をDIYで変えていった。
守るべき存在だけど、心の支え
手のひらに乗るような小さな猫だったが、むぎちゃんはあっという間に大きくなり、ぴょんぴょん飛び回っているという。
「警戒心のかけらもないような大きな態度で過ごしています。大きくなるにつれ安心して見られるようになってきましたが、とてもヤンチャなので、怪我をしないかと、新たな心配事も出てきました」
岩田さんにとってむぎちゃんは、「守るべき存在だけど、心の支え」なのだという。