捨て猫を保護するための「ねこちゃん募金」誰が持ち去った?「人のあたたかな多くの心を盗んだ」「元に戻して」

京都新聞社 京都新聞社

 捨て猫の保護や管理に取り組む団体の代表が滋賀県大津市馬場1丁目の生花店の店先に置いていた保護猫のための募金箱が、何者かに持ち去られた。子どもからお年寄りまで多くの善意に支えられてきた活動を踏みにじる行為に、代表は肩を落としている。

 募金箱は、「ときめきネコの会」代表の永野博之さん(76)が、活動資金を集めるために、店主を務める生花店「ベティ・ブーフ」の店先に5年前に置いた。箱は紙製で、表に「ねこちゃん募金」「よろしくお願いします」の文字とともに肉球や猫のイラストが描かれていた。

 通行人が気軽に募金しやすいように店先に置き、一日2~3人が募金していた。時折、店を訪れた子どもが箱を揺らしてお金がいっぱいになるのを楽しみにしていたという。

 これまでに集まった募金は計約13万円で、大けがしたり、具合が悪くなったりした保護猫の治療費に充てられてきた。

 しかし4日午後7時半ごろ、永野さんが店じまいのため外に出ると、募金箱がなくなっていることに気付いた。盗まれたことは今まで一度もなく、ショックを受けた。

 募金箱には約4万円が入っていたとみられ、大津署に被害届を出した。また、店先の黒板に、盗んだ人に向けて「人のあたたかな多くの心を盗んだ」とのメッセージを書き込んだ。

 永野さんは「私ではなく、募金をしてくれた人全員の善意に対して謝ってほしい」と訴え、「『ごめんなさい』という気持ちがあれば元の場所に戻してほしい」と犯人に呼びかけている。保護猫の活動を続けるためにも、対策をした上で再び募金箱を置くという。

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