2020年に結成30周年を迎えた日本ヒップホップシーンの重要アーティスト、スチャダラパー。残念ながら記念ライブはコロナ禍で中止せざる得なくなったが3年ぶりに大阪で野外ライブ「スチャダラパーク2022」を開催することに。そんな彼らに話を聞いた。
――コロナ禍を振り返っていかがでしたか?
Bose:緊急事態宣言出てた2年くらいですよね。本当何やってたんでしょうね(笑)。
ANI:本当だね。
SHINCO:2年前の2020年に結成30周年の「シン・スチャダラ大作戦」アルバム出して、記念ライブをって動いてましたけど。
Bose:「まだギリギリライブできんじゃね?」って、実際やる方向で動いてたんですけど月を追うごとに「いやいや、やっぱこれは無理そうだな」って。
SHINCO:誰かがライブやったんだよね。そしたらえらい炎上して。
Bose:そうだった!あの時は世間的にそういうことやっちゃダメってコンセンサスが生まれてましたからね。残念ではあったけど受け止めた。でも、正直、学生さんとかは学生生活の2年がほぼ空白状態になっちゃったわけだから大変だなぁって思うんですけど僕らおっさんは、先に言った「何やってたんでしょう」って感じであんま関係なかったなぁってのが本音です。
ANI:あまりにも変化がなくて逆にショックを受けてしまう(笑)。
SHINCO:確かにねぇ。30周年、そういう最中にウチら30周年を迎えたってのがスチャダラパーらしいっちゃらしいね(笑)。
Bose:ま、そんな中でもnever young beachと曲を出したりとか、「近松心中物語」っていう舞台の音楽をやったり、ライブというかイベントを配信でやったりしてたから、なんだかんだと充実はしてました。以前「ボ~ッとしてると4~5年経つ」って歌詞を書いたことがありました。「本当は経たないけどね」ってつもりで書いたんですけど、マジそうだなってこのコロナ禍で実感しましたね。
あと、コロナ禍以前から徐々になってきてましたけど、曲の作り方も変わりましたね。ちょっとのことでもスタジオに集まって打ち合わせするのが当たり前でしたけど、ほぼリモートになったし、SHINCOがパソコンで曲を送ってくれて、それを元に歌詞を考えるようになったし。昔みたいに集まって朝までダラダラとってのも無くなったし。
ANI:みんな結婚したり、子どもが生まれたりってあるからね。もちろん年齢もあるから働き方も変わらざる得ない。
SHINCO:ただ、ダラダラしてる中での共有できることってあったじゃん。それがなくなったのは寂しくもありますね。
――30年を振り返っていかがですか?
Bose:よく聞かれるんですけど、自分たちはなんも変わってないんですよね。
SHINCO:そうだよね。ヒップホップシーンを牽引してるつもりなんて全然ないし、ずっと自分たちが作りたいものを作ってる感じだし。
Bose:フェスとか出るじゃないですか。若い頃はライブの順番も前の方だったし、30代くらいの人がトリを務めるって感じでしたけど、それが年月を重ねても、状況は変わってなくて、僕らもそのままスライドして、上の世代の方がトリを務めて、お客さんも同じく年を重ねていってるしって、なんも変わってないなとしみじみ思っちゃいますね。
ANI:なんかなんばグランド花月の出番みたいだよね(笑)。
Bose:そうだね。劇場で大トリ出番のオール阪神巨人さんなら、新喜劇の間寛平さんなら、フェスでいうと誰に当たるんだろって考えちゃうもんね(笑)。
SHINCO:とりあえず無理しない程度に何かしらアップデートしなきゃいけないのかなって思います(笑)。
Bose:例えば、演歌の人や、60年代や70年代の歌謡曲の人が、夢グループってとこに入って往年の歌手たちでコンサート開いてたりするじゃないですか。僕らも近からず遠からずで、うちの事務所がそうなっていくってのもありかなってこれから思ったりしますもん(笑)。
ANI:確かにヒップホップにもそういう夢グループ的なのがあってもいいかも(笑)。
Bose.:ANIグループとかね(笑)。
SHINCO:「社長、もうちょっとお安くならない~?」ってね(笑)。
ANI:(笑)。なんかいいもんあったら売りたいよね。
Bose:我々の年齢がフェスで使うのにちょうどいいもんとかね。ポンチョとか腰の痛くならないイスとか、「これ二つでいくら~」とか(笑)。
SHINCO:みんな老眼になっちゃって、それでもおしゃれでいたいからカザール型やKool Moe Deeモデルのサングラスの老眼鏡とかね(笑)。
Bose:それとかつての渋谷系のアーティストとか巻き込んじゃって、夢グループコンサートみたいなので全国を回るのもいいかもですね。カジ(ヒデキ)くんとか参加してくれそうだし。
ANI:田島(貴男)さんが「接吻」歌って盛り上がって、最後はみんなで「今夜はブギーバック」で締めるとかね(笑)。
SHINCO:かつてのオリーブ少女やキューティーっ子の琴線に触れるメンバーで。
Bose:60歳をメドに実現したいなぁ渋グループ(笑)。半分冗談で半分マジで進めて行きたいですね。
――そんな渋グループの伏線になるかもしれない(笑)「スチャダラパーク2022」の意気込みを教えていただけますか。
Bose:RHYMESTERとEGO-WRAPPIN’、かせきさいだぁにロボ宙っていう「シン・スチャダラ大作戦」にも参加してれた面々をゲストに迎えるんですけど、楽しみしかないんですよね。
ANI:大阪でメインでやるのは本当に久しぶりだし。
BOSE:そうだね。それに大阪でライブやるのも3年ぶりぐらいですし。昔から大阪の人はワイワイ盛り上がってくれる印象しかないし、気さくに「ボーちゃん、ボーちゃん」って話しかけてくれる子たちばっかだし。
ANI:友達感覚で距離感近い(笑)。
SHINCO:そういうひとたちも僕ら同様に年齢を重ねて大阪のおばちゃんになってるってことは海原やすよともこみたいになってるわけでしょ(笑)。
Bose:もうお客さんも自由にやってくださいってことですね。家族連れも多いと思うし、時間帯も17時からだし。本当に公園に遊びに来た感覚でダラダラと楽しんでほしいですねぇ。
◇ ◇
結成30周年を突破した彼らの口から飛び出た、まさかのヒップホップ界の夢グループ構想…真に実現することを期待したい。
『スチャダラパーク2022』
■大阪公演
出演:スチャダラパー&ロボ宙、ザ・コストパフォーマンス<Ba.笹沼位吉、Key.松田浩二、Dr./Per.三星章紘、Gt.KASHIF>
ゲスト: RHYMESTER、EGO-WRAPPIN'、かせきさいだぁ
会場:大阪城音楽堂
公演日:2022年6月18日(土)
開場時間:16:00/開演時間:17:00
料金:前売¥6800(税込) 座席指定
●モバイルサイトGREENS!チケット https://www.greens-corp.co.jp/mobilegreens/
●チケットぴあ[WEBのみ受付] Pコード:211-204
●ローソンチケット Lコード:54024
●イープラス https://eplus.jp
※おひとり様4枚までとさせて頂きます。
※4歳以上はチケットが必要になります
小学生以下は必ず保護者同伴でご来場ください。
3歳以下膝上鑑賞可。ただし、座席が必要な場合はチケット必要。
※雨天決行・荒天中止
※新型コロナウイルス感染拡大防止策ガイドラインに則って開催いたします。
※本公演は今後、政府及び開催地自治体が発表する各ガイドラインの変更や感染状況に応じて、
収容人数や運営上のルールを止むを得ず変更させていただく場合がございますので、予めご了承下さい。
INFO:GREENS 06-6882-1224(月曜日と金曜日の12:00-18:00)
https://www.greens-corp.co.jp/