人工的な香料で体調不良…いわゆる「香害」4割が経験 「香水」「柔軟剤」などが原因に

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近年、柔軟剤や化粧品などに含まれる人工的な香料で体調不良を引き起こす「香害」や、柔軟剤や抗菌消臭剤などに含まれる化学物質が原因となり、頭痛や倦怠感等を誘発する「化学物質過敏症」が社会問題となっています。全国の20~70代の男女523人を対象に、「香害・化学物質過敏症に関するアンケート調査」を実施したところ、人工的な香料によって「不快な経験」をしたことのある人は約7割、「体調不良」を起こしたことのある人は約4割に上っていることが分かりました。また、「不快に感じた・体調不良を起こした」原因となる香料については、「香水」「柔軟剤」などが挙げられたそうです。

無添加石けんの製造などをおこなうシャボン玉石けん株式会社が2022年5月に実施した調査です。

はじめに、「香害」「化学物質過敏症」の認知率について見ると、いずれも76%でした。「香害」の認知度は年々上昇しており、2018年の46%に比べると2022年は76%と、この5年で30%増加しているそうです。

次に、「日用品や化粧品の香料によって不快な経験をしたことはありますか」と聞いたところ、72%の人が「ある」と回答。また、「人工的な香料によって体調不良を起こしたことはありますか」と聞いたところ、39%の人が「ある」と回答しました。

さらに、「不快に感じた」または「体調不良を起こした」原因となる香料については、「香水」(30%)、「柔軟剤」(18%)、「芳香剤や消臭剤」(16%)といった身近にあるものの香りが挙げられたそうです。

続いて、「香料などの化学物質に過敏だと思いますか」と聞いたところ、「とてもそう思う」(12%)と「ややそう思う」(32%)を合わせると44%の人が「そう思う」と回答しました。

また、「洗剤や化粧品を購入する際、香料をはじめとする成分(添加物)について意識していますか」と聞いたところ、「とても意識している」(12%)と「やや意識している」(35%)を合わせると47%の人が「意識している」と回答したそうです。

一方で、「香料対策」については、「換気を行なう」(24%)、「香料の元から距離を取る」(23%)と続き、「無香料の商品を使う」と回答した人は19%にとどまっており、まだまだ根本的な対策ができていない現状が浮き彫りになったといいます。

なお、国民生活センターの発表によると、2013年以降、2020年1月までの間に「柔軟仕上げ剤のニオイ」に関する相談件数が毎年130~250件程度寄せられており、相談情報を相談受付月別に集計すると6月から9月にかけてが多いといいます。

調査を行なった同社は、「香料は嗜好品の側面が強く、ニオイに関しては人には指摘しづらいものです。自分にとっては心地よい香りでも、人工的な香料は他人にとっては苦痛な害となることがあります。香害や香料に関するエチケットについては、香料不使用の商品を活用するなど、社会的な配慮、理解がさらに必要です」と述べています。

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