ランボルギーニやデロリアンなどスーパーカー35台が5月下旬、京都市上京区の北野天満宮に集結しました。これはスーパーカーのオーナーたちが団体で参拝する神社公認の集まりです。なぜこんなことをしているのか、どんな参加者がどのような車で来ていたのかを取材しました。
この催しの名称は「スポーツカー&スーパーカー・ヘリテージ・ギャザリング京都2022」です。自動車ライターの西川淳さん(56)=上京区=が呼び掛け人となり、2015年から行っています。新型コロナウイルスの感染拡大で2020年と2021年は行われず、開催は3年ぶりとなりました。
当初の参加者はランボルギーニのオーナーだけだったといいます。その理由はエンブレムの牛にありました。実は、北野天満宮で神様の使いとして敬われているのも牛です。そうした共通点から2015年にランボルギーニのオーナーたちによる参拝が始まりました。
やがて、ランボルギーニ以外のほかのスーパーカーの持ち主が加わり、現在の形となりました。
今年は近畿をはじめとして35台約50人が参拝に訪れました。境内東側にはランボルギーニのほか、デロリアン、ジャガー、フェラーリ、アルフェロメオなどが並びました。どんな人が、どんな車で訪れたのか、参加者にも話を聞きました。
兵庫県姫路市の不動産会社社長・赤鹿保生さん(55)は1975年式ランボルギーニ・ウラッコP250Sで参加しました。国内の納屋で約35年放置されていましたが、赤鹿さんが5年ほどかけてイタリアから部品を取り寄せるなどして修理したそうです。赤鹿さんは「直線的でシャープなデザインがお気に入り」と話しました。
2018年式ジャガーFタイプで訪れたのは、商工会議所事務局次長の西村公作さん(59)=奈良県御所市。世界で約20台しかないレアな車で、青色が好きな西村さんは一目ぼれしたそうです。
さらに、今年はイタリアのレーシングカーメーカー「ダラーラ」の創立50年ということもありダラーラの車も参加し、目を引いていました。
参加者は、珍しい車の写真を撮影し、それぞれの車を前に愛車の特徴や思い入れを話し合っていました。
主催者の西川さんは「みなさん派手な車に乗っておられるので『あおり運転などをしているのでは』などと見られがちです。北野天満宮に集まることで、スーパーカーが文化的な存在であると知っていただくとともに、あらためて交通安全を誓う機会になってほしいと思っています」と話していました。