「みんながエスカレーターの端に寄る理由がわかった」とツイートしたのは、写真に落書きする二人組のアーティストです。エスカレーターの左端に並ぶ人たちの横に描かれていたのは、寝そべったり遊んだりする猫たち。猫がいるだけで変わるいつもの風景に、「これは……天才…そういうことか……」、「これは発想がすばらしい〜!めちゃくちゃ素敵です!」という反響がありました。中には、「大阪の人にケンカ売ってる(笑)」というリプライも。投稿した@sara2626_ifさんは、「猫にも地域性があって大阪は左側で寛ぐはずです。きっと」と答えています。
国内外から寄せられるリプライは数知れず、「いいね」は10万件を超えました。なぜ、エスカレーターに猫を描いたのでしょうか。話を聞きました。
ーー二人組のアーティストなのですね。猫のイラストは二人で考えたのですか?
「今回は、Araiが発案しました」
ーー「エスカレーターでみんな片側に寄るのってなんでだろう」という素朴な疑問をお持ちだったのでしょうか?
「習慣として根付いている部分を急に変えるのは難しいことだとは分かっています。でも、行政などがいくら呼びかけても、頑なにエスカレーターの片側にしか寄らないのはなんでなんだろうという疑問がありました」
ーーなぜ猫だったのですか?
「片側に寄りたくなる理由って何なんだろうと考えたのですが、猫がいたらほんわかするかなと思い、sakoに大好きな猫を落書きしてもらいました」
ーー片側に寄られると、たとえば半身が肢体不自由の人はエスカレーターに乗りにくいこともあるそうです。猫は場所を譲ってくれるでしょうか。
「もちろん、右に乗りたい人がいれば猫は譲ってくれます。猫が右側を占領しているのは人間に左に寄れと言っているわけではなく、猫がそこにいるだけで人間が勝手に寄ってしまうからです」
ーーお二人とも猫好きなんでしょうね。どんなところが好きなんですか?
「無条件に可愛いところです。普段はマイペースで自由気ままに暮らしていますが、時々甘えてくるようなギャップが好きです」
ーー他にも猫や犬がいたらいいなと思われる場所はありますか?
「私たちの作品を見てくださってる皆さんに、ワクワクしながら次の作品を楽しみに待っていただきたいので、回答は控えさせていただきます。sakoが動物などを落書きをすることで、この世界を面白おかしく描いたり、神秘的に表現していきたいと思っています」
人間だけだと殺伐としてしまう風景の中に犬や猫、鳥などの動物がいると、不思議なことにその場の空気がなごみます。今度はどんな風景を見せてくれるのか、次回作に期待しましょう。