人気ドラマの劇場版『極主夫道 ザ・シネマ』(6月3日公開)で玉木宏(42)は、走行するワンボックスカーのドアにしがみつく危険なアクションにノースタントで挑んだ。その姿形は『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でトム・クルーズがノースタントで行った飛行機しがみつきアクションを彷彿とさせる。ハリウッドスターへの挑戦状を叩きつけた形(!?)の玉木に話を聞くと「僕は負けず嫌いなんです」というハングリー精神を見せてくれた。
トライするところはトライしたい
爆走するワンボックスカーにしがみつく玉木の当該場面は、予告編にも挿入されて話題に。共演の滝藤賢一に「ワイヤー1本で車に宙吊りで…。玉木宏ヤベエ!と思った」と言わしめた手に汗握るハードスタントシーンだ。
「本番前、プロのスタントマンの方に一連の流れを見せていただきました。それが終わった後に『できそうですか?』と言われたので『大丈夫です』と答えて、やりました。まあまあ怖かったですけど」と涼しい顔の玉木だが、車は時速60kmで約500mを走行。途中にカーブもあるため、かなりの遠心力が体に襲い掛かったという。
スタントマンがいるのだから、主演俳優がわざわざすべてをやる必要はないはず。アップで映されるショットはCGで処理という選択肢もあったはずだ。なぜあえての労力を自らに課したのか。「それはトライするところはトライしたいという思いがあるからです。主演という立場など作品の中で担うものが大きくなる中、責任感が生まれたというか。自分でやった方が取材の場で具体的な話もできるし、ある程度の危険や怖さと隣り合わせでやらなければ説得力のある映像も撮れなかったと思うので」と座長としての矜持を口にする。
悔しさが上回る
作品に打ち込む姿を指して、玉木はよく“ストイック”だと言われる。「自分としては誉め言葉だと捉えています。タフだね!と言われることも嬉しくて、例えば友達と旅行に行ったら誰よりも遅く寝て誰よりも早く起きたりして、人に寝顔を見せない(笑)。僕は負けず嫌いなんです」と自己分析する。
その「負けず嫌い」は「劣等感」という源泉から湧き出てくるものらしい。「できる人を見ると悔しいと思う。それはどこかに劣等感があるからかもしれません。どこの世界にも上には上がいるというのは当然のことだとわかっていながらも、だけど平均点ではなくて自分ももう少し上がっていきたいと思う気持ちが湧く。できる人を前にして自分は敵わないと思いながらも、それ以上にできないことへの悔しさが上回るんです」。甘いマスクの下に隠された闘志を覗かせる。
チャレンジを自分に課す
原作コミックに描かれた鍛え上げられた肉体美に少しでも近づけるため、撮影期間はフィジカルトレーニングに加えて1日1.2kgの鶏むね肉を食べるというメニューを自らに課した。その結果生まれた彫刻のような玉木の肉体美には、男女問わず目がテンになるはずだ。
「僕も42歳なので肉体的には若い人には敵わないという気持ちはありますが、継続をしていればある程度は形となって表れるはず。何かしらのチャレンジを自分に課すのは大切なことだと思います」と実感を込める。劇中での自身の肉体美について感想を求めると「やれる範囲ではとことんやったつもりではいますが、あと3カ月あれば…」と納得はしていない。玉木宏の負けず嫌い、無尽蔵。