初対面とは思えない…耳が聴こえない漫画家の体験談に「涙が出ました」 「素敵な話」「運命の出会い」と感動の声多数 

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「ホームセンターで出会った不思議なママさんの話」と投稿したのは、イラストレーターや漫画家として活動されているミカヅキユミさん(@mikazuki_yumi)。この体験漫画が話題となっています。

当時まだ小さかった子どもを連れて、ホームセンターにやって来たミカヅキさん。すると、わが子が通りすがりの子どもと意気投合。連れていたママさんはとってもオシャレで綺麗な方でした。一瞬、相手と比べて自身のテキトーな格好に気後れしてしまうミカヅキさんでしたが、ママ同士も話しはじめます。

実は、ミカヅキさんは生まれつき耳が聴こえません。会話も声を聴くのではなく、口の動きを読む「読話」のほか、手話や筆談も通じて行っています。しかし、そのママさんは、抵抗感がある様子もなく、それからも親し気に話してきてくれました。

ひとしきりしゃべった後、お別れの時間に。名残惜しさを覚えつつも、「もう会うことはないかも…」ともミカヅキさんは思っていました。

しかし、後日偶然にもそのママさんと再会。今度は連絡先を交換します。以降は会う機会も増え、「サヤちゃん」「ユミちゃん」と名前で呼び合うぶようになりました。

そんなサヤさんに、ミカヅキさんは不思議な感覚を覚えます。

耳が聴こえないミカヅキさんを気遣って、よきタイミングで話しかけてくれたり、音声による情報を教えてくれたりするサヤさん。

実は、サヤさんも幼い頃、耳の聴こえない友人がいた経験があったのでした。

ミカヅキさんは思い出します。自身も幼い頃、偏見なくまっすぐに自分を見てくれた友人たちがいたことを――。

あの頃の同級生たちと、サヤさんは「においが同じ」なのでした。

そんな心地良い時間を過ごせる友人と出会えたミカヅキさんは、昔サヤさんと出会ってくれた「耳が聴こえない友人」に感謝します。

さらに、後日談で明らかになったのが、その人はお互い共通の友人だったこと。意外なところでつながりがあったことに、ミカヅキさんは世間の狭さを感じずにはいられませんでした。

思わぬところでの運命的な出会いを綴った漫画。リプ欄にも多くの反響が。

「すっっごく良い話……。。。」
「心があたたまり自然に涙がでました」
「嬉しい出会いだね」
「縁が縁を結んだ素敵な関係ですね」
「大人になってから知り合った人との友情で運命的なものを感じられるって素敵ですね」
「ソウルメイト」

このような感動の声が多数寄せられました。ミカヅキさんにお話をおうかがいしました。

――サヤさんとは今でもつながりは?

ミカヅキさん:今でも時々連絡を取り合っています。

――サヤさんと一緒にいる時の居心地の良さについて、子供のころの友人たちと「においが同じ」と漫画では表現されていましたね。具体的には?

ミカヅキさん:説明するのは難しいですね(笑)。聴こえない人と会話をすることを怖がらない、目をみて話す、呼びかけるときは肩や背中をたたくといった具合に、聴こえない人に対する接し方を知っている、といえば伝わりますでしょうか?

――なるほど。互いに理解でき、安心し合えるご関係は素敵ですね。また、共通の友人がいたということも驚きでしたね。そのご友人と3人で会ったりされたのですか?

ミカヅキさん:3人では会っていませんが、共通の友達にも後日知らせる機会がありました。喜んでくれていました。

――生まれつき耳が聴こえないミカヅキさんですが、周囲の方々に求めたいことやお願いしたいことがあれば教えてください。

ミカヅキさん:私と会話をすること、感覚をすり合わせることから逃げないでほしいです。最近は、逃げずにコミュニケーションをとろうとしてくださる方が増えてきているように感じ、少しずつ理解が進んでいることを実感しています。

――逆に、耳が聴こえないという性質から、自身が他の人よりも長けていると感じる部分、強化されたと思うところはありますか?

ミカヅキさん:目で見る力がついているところ、人の動きを見て、次の行動を予測できるところです。また、聴こえないことによる逆境や困難を面白がれるところです。どうやったらクリアできるかな?と考えるのが楽しいです。100%うまくいかなくとも、動いた分だけ確実に変化や自信はつきますし、相手の心にも何かしら残せていると思います。

  ◇  ◇

日々、前向きに楽しく暮らすミカヅキさん。知り合いの方々に対しても、素直に相手を受け入れ、まっすぐに向き合おうとしているように感じます。

そのようなミカヅキさんのお人柄が、漫画の心温まる作風にも表われているのかもしれません。

そんなミカヅキさんは、Twitterやブログ等で漫画を随時公開。また、「レタスクラブ」本誌にてコミックエッセイ『聴こえないわたし母になる』を連載中です。さらに、イラスト、挿絵、漫画などのお仕事も募集中とのことです。

■ミカヅキユミさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/mikazuki_yumi

■コミックエッセイ『聴こえないわたし 母になる』はこちら→https://www.lettuceclub.net/news/serial/11641/

■ミカヅキユミさんのブログ「背中をポンポン」はこちら→https://senaka-ponpon.blog.jp/

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