いまや目新しいものではなくなった「電気自動車(EV)」ですが、実際はどのくらいの人が運転したことがあるのでしょうか。「パーク24株式会社」が、「電気自動車」に関する調査を行なったところ、クルマ保有者のうち「電気自動車」を保有している人は1%にとどまりました。また、電気自動車を運転したことが「ある」人は17%だったそうです。
同社が運営するドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に、2022年2月に実施した調査で、有効回答数は6940人でした。
はじめに、「保有しているクルマのエンジンタイプ」を聞いたところ、ダントツだったのは「レギュラーガソリン車」(73%)で、2位以降と50ポイント以上差がありました。次いで、「ハイブリッド車」(18%)、「ハイオクガソリン車」(14%)、「ディーゼル車」(4%)と続き、「電気自動車」は1%にとどまる結果になりました。
ちなみに「電気自動車」の保有率は、同社が2016年に調査を開始して以来、1%からほぼ変動していないといいます。なお、2021年の国内新車販売台数に占める電気自動車の割合は約1%(※)と、同社が調査したタイムズクラブ会員の電気自動車保有率と同率だったそうです。
(※)一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(乗用車)」(2021年1月〜12月の新車販売台数合計と電気自動車販売台数合計より比率を算出)
次に、「電気自動車を運転したことはありますか」と聞いたところ、「ある」と回答した人は17%という結果になり、年代別でも傾向に大きな違いはありませんでした。
また、「電気自動車を運転したことがある」と回答した人に、「何で運転しましたか」と聞いたところ、「レンタカー」(27%)、「カーシェアリング」(24%)、「家族や友人・知人から借りたクルマ」「自家用車」(いずれも12%)、「一緒に外出した人のクルマ」(10%)といった回答が続きました。なお、「その他」では「社有車」や「カーディーラーやイベントでの試乗」という回答が見られたそうです。
続いて、電気自動車を保有していないと回答した人に、「電気自動車がどのようになったら購入しますか」と聞いたところ、「価格が手ごろになったら」(38%)、「購入するつもりはない」(22%)、「EVステーションが増えたら」(18%)、「航続距離に不安がなくなったら」(12%)、「好きな車種があったら」(8%)という結果になりました。
これを年代別に見ると、20代以下と30代は「好きな車種があったら」(20代以下:13%・30代:10%・40代:8%・50代:7%・60代以上:4%)が「航続距離に不安がなくなったら」(20代以下:11%・30代:9%・40代:10%・50代:13%・60代以上:15%)を僅差で上回っており、他の年代よりも車種へのこだわりが強いことが伺えたそうです。また、60代以上は「購入するつもりはない」が29%となり、他の年代(20代以下:20%・30代、40代、50代:21%)に比べ電気自動車の購入意欲が低いことがわかったといいます。
最後に、「電気自動車の1回充電あたりの航続距離」については、68%の人が「知らない」と回答しました。航続距離を知っている人の過半数は、アンケート実施時に発売されている主な乗用車タイプの航続距離「256km〜505m(※1):WLTCモード(※2)」を認識していることが伺えたといいます。
(※1)【日産】LEAF:450km・アリア B6:470km、【ホンダ】Honda e:283km、【マツダ】MX-30 EV MODEL:256km、【レクサス】UX300e:367km、【テスラ】Model Xロングレンジ:505km
(※2)市街地、郊外、高速道路といった走行モードで構成された、「世界統一試験サイクル」とも呼ばれる国際的な測定方法
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調査を行った同社は、「自動車業界におけるカーボンニュートラル対応の動きは世界的に加速しており、日本においても2021年に政府が『2035年以降の日本でのガソリン車・ディーゼル車の販売禁止』を発表しました。自動車メーカー各社も次々に新型の電気自動車の発売を発表しており、EVシフトは加速しています」とする一方で、「まだレギュラーガソリン車が一般的であることが分かりました。電気自動車を運転した経験がある人は、レンタカーやカーシェアリングで運転した人が2割を超えるなど、購入する以外の方法で電気自動車を運転する機会が多いようです」とも述べています。