山梨県道志村の山中で子どもの頭部とみられる人骨の一部が見つかったことを受け、山梨県警は29日、同村のキャンプ場で2019年9月に行方不明になった小倉美咲さん(9)=千葉県成田市=のものと似ている子ども用の靴の左足側を発見した。28日に見つかった右足側と同じメーカーで、色やサイズが一致しており、靴下の片方も見つかった。連日、現場で取材を続けている元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は30日、当サイトに対し、現状を解説した。
人骨は頭の一部とみられ、小倉さんが行方不明になったキャンプ場から東約600メートル地点にある沢で発見された。左右両方の靴と靴下の片方の計3点、数メートルの範囲内で見つかったが、人骨が見つかった地点からやや離れた、沢の上流だった。靴のサイズはi20センチで、色はエメラルドグリーン。小倉さんの靴と特徴が一致したという。人骨に関して、県警はDNA型鑑定などにより身元の特定を進めている。
小川氏は28日の現場取材後に「キャンプ場から直線で600メートルくらいの距離で、早い段階からこのあたりも捜索の対象になっていました。見つかった後頭部の骨の一部からのDNA型鑑定の結果待ちになります。毛髪とか血痕等とは違って、人骨は日数がたっていますので、鑑定に時間を要する」と指摘。さらに「他の骨や衣服などは見つかっていないことから、今回見つかった骨だけが風や土砂などによって別の場所から移動してきた可能性もある」と推察した。
翌29日は激しい雨のため、捜索は午後2時過ぎに打ち切られた。レインコート姿で取材に当たった小川氏は「警察の発表では、見つかった靴はそれほど劣化していないとのこと。美咲さんが行方不明になってから2年7か月たっているが、もしこの靴が本人のものだとしたら、その長い期間に、雨や土砂によって靴はある程度、劣化しているはずだが。そこをどう考えるか。まだ美咲さんの靴かどうかは分からないので」と指摘した。
現状では「人骨や靴が美咲さんのものである可能性があるという段階で、結論が出ることはなく、まだ時間を要する」という。今後について、小川氏は「これまでと同様、事件と事故の両面で捜査は進められていくでしょう。また、今回発見された沢の周辺、沢の上流、下流沿いを重点的に捜索し、他の遺留品等の発見に努める捜索が続けられると思います」と見通しを語った。