ドリンク業界の絶滅危惧
いろいろな意味で開放感があり絶好のタイミングとなった今年のGW。格好のおでかけスポットである水族館について調べていて、なにげなく気になったのがラッコ。ピーク時に日本に122頭いたのがいまは4頭しかいない。絶滅危惧種に指定されたために輸入できなくなったからとか。
飲食のシーンで絶滅しつつあるのが、瓶入りのドリンク。代表格である瓶のコカ・コーラも、バーなどでカクテルに使うためのものをときどき見かけるような存在になってきました。「ファンタグレープ」や「三ツ矢サイダー」、「バヤリース」、「リボンオレンジ」など一部残っていますが瓶詰めのドリンクはかなり絶滅危惧種。コストや環境のことを考えると仕方ないことですが、少し残念です。
大手メーカーも終了 瓶のコーヒー牛乳
同様に風呂上がりの銭湯で飲んだようなコーヒー牛乳も瓶ではなくなっています。2021年3月に大手の小岩井乳業が牛乳やコーヒー牛乳などの瓶商品の製造と販売を終了。当時はなんの変哲もなかった風景ですが、絶滅までカウントダウンのような状態。銭湯自体がなくなっていったのはもちろん、コーヒー牛乳が瓶ではなくなり腰に手をあててグイッと飲んでいた心地よい飲み方ができない状況です。
ラテやオレは違ったカタチで進化
カフェオレやカフェラテと名前を変え、容器も変わりストローでチューチューするものに変わってしまったコーヒー牛乳。とはいえ、缶やペットボトルなど、人気の抹茶ラテなどまで含めれば、牛乳を使用したコーヒー飲料は市場を広げてきました。
瓶に近い味わいの新型ラテが登場
そんなこの春、銭湯で飲んだコーヒー牛乳に近い味わいの新型ドリンクが登場。この4月にサントリーから発売された「ミルキープレッソ」が往年のコーヒー牛乳を彷彿とさせます。正式にはコーヒー牛乳ではないのですが、ペットボトルながら牛乳のほか、大豆由来の乳成分を加えることで、これまでのペットボトル飲料を上回るクリーミーな味わいを実現。また、ボトル形状も牛乳瓶風です。しかもペットボトルのメリットでもある常温&長期保存が可能。冷蔵保存しなくてもいいので、おでかけのおともにもぴったりです。
イベントや行楽地で疲れた体に甘い癒やしを与えてくれる1本としても重宝しそうです。
取材・文/髙田 強
フードライター。関西エリアを中心に雑誌やwebで飲食店やフードトレンドについての記事を執筆。現在は「関西ウォーカー」や「おとなの週末」、「SKY WARD」、などの雑誌、情報誌に寄稿。約月1回ペースで登場する関西テレビ「よ~いドン!などのテレビ番組にグルメ情報のナビゲーターとして出演。