約5年前に開業予定が発表されて以来、「ディープなエリア・新今宮に高級ホテルの需要があるのか?」「どんなホテルになるのか楽しみ」という地元の人々の声とともに注目されてきた「星野リゾート」(長野県軽井沢町)による大阪初のホテルがついにオープンする。4月22日に開業する「OMO7(おもせぶん)大阪 by 星野リゾート」(大阪市浪速区)は、大阪の新名所となることを目指すという。
場所は、ミナミの中心地「難波」から2駅に位置する新今宮。「通天閣」がある繁華街「新世界」が徒歩圏内となるが、大阪でも「ディープ」なエリアとされることから、ホテルといえば、バックパッカーらが安価に泊まれる簡易宿泊所やゲストハウス、ビジネスホテルが主流。ここで、大阪らしいモチーフや食を取り入れた「なにわラグジュアリー」を打ち出し、観光客をターゲットとしたホテルブランド「OMO」を展開する。
地元の人が行きたくなる工夫も
だが、実は地元の人の利用が期待される施設もある。敷地面積の約半分(7600平米)を占めるガーデンエリア「みやぐりん」は誰でも利用することが可能。傾斜のある広大な芝生広場や、テーブルや椅子を配したデッキや東屋があり、まるで優雅な公園といった感じ。ホテル内のカフェで、ミックスジュース(700円)などのドリンクやフードを購入すればピクニックも満喫できる(利用可能な時間は7:00~20:00)。
ちなみに、ゆったりくつろげるデッキテラスは、あえてJR新今宮駅のホームと同じ高さに設置。乗客と目が合いそうな距離感となっており、星野佳路代表は、「乗客の方々が羨ましくなる風景を作りたかった。浴衣を着て庭でビールを飲んでいる姿を見て『新今宮駅で降りてみたい』というきっかけになれば」と説明。大阪市が目指す「エリア全体のイメージを変えるための開発」を踏まえた上での試みだという。
そのため、開業から6月30日までとなるが、宿泊客限定でおこなうイベント『PIKAPIKA NIGHT』を開催。浴衣と提灯を貸し出して「みやぐりん」での夜のそぞろ歩きを提案するという。たこ焼きやクラフトビールを振る舞い、アナログレコードで音楽を流し、東屋をネオンでデコレーションするほか、施設の壁面に花火をイメージした光のショーをおこなう。仕事終わりに駅のホームから見れば「なにごとか!?」と思ってしまうことは間違いないだろう。
宿泊料金は、1人12000円〜、夕朝食付きであればツイン1室61000円〜。最大6名で宿泊できる最も高級な「いどばたスイート」は夕朝食付きで1室109200円~。夕食は箱寿司や串カツなど、大阪名物をアレンジしたコース(2種)となっている。
館内は、隠れ通天閣やビリケンさんの足形など、大阪らしいモチーフで写真映えし、ライブラリーや大浴場「湯屋」もあり。また、地元の魅力を伝えるためのガイドツアーも実施されるとあって、あえて観光する機会の少ない地元の人々も、地域の新たな発見を楽しめそうだ。
「OMO7大阪 by 星野リゾート」
2022年4月22日(金)開業
住所:大阪市浪速区恵美須西3-16-30
公式サイト:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7osaka/