吉野家元常務の「生娘がシャブ漬けになるような」発言に法的問題は?損害賠償請求も 平松まゆき弁護士が解説

平松 まゆき 平松 まゆき

 吉野家ホールディングスは19日、女性を蔑視し人権を無視する不適切発言をした伊東正明常務(49)を18日付けで解任したことを発表した。伊東氏は16日に早稲田大学主催の社会人向け講座で、若者を狙ったマーケティング戦略を「生娘がシャブ漬けになるような企画」と例える趣旨の話をしたという。伊東氏の発言における法的問題点を、かつて歌手デビューも果たした元アイドルの平松まゆき弁護士にQ&A方式で解説してもらった。

 Q 今回の生娘シャブ漬け発言を受けてどう感じましたか?

 A 率直に言ってとても驚きました。どのような文脈であれ不適切極まりないというほかありません。このように人権感覚が欠如された方が企業のトップということでは企業風土を疑われ、信頼を失うことは間違いありません。まして講座の趣旨は、「デジタル時代のマーケティング戦略」ですよね?まさに今このデジタル社会で、誰しも人権に敏感になってきた中での発言ですから、そこに思い至らないということは、相当深刻です。吉野家として、ここは対応を誤ってはけませんね。

 Q 法的な問題がありますか?

 A 契約上の問題があり得ます。少なくとも「講座の趣旨に沿った講話をする」という債務には違反したといえるでしょう。今回は思わぬ形で世間の耳目を集め、早稲田大学側も非難の対象となっているようで、大学が契約を解除するという話も出ているようです。大学側も慎重かつ早期の対応が迫られます。

 Q 債務に違反したということは、講座を主催した早稲田大学側が伊東氏に損害賠償請求をできるということですか?

 A そうですね。契約の主体が吉野家なのか本人なのかは知り得ませんが、仮に早稲田大学に損害が発生すれば賠償問題に発展します。聴講生から返金を求めるなどの問題も起きるかもしれませんし、しばらく尾を引きそうです。

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