その使い方大丈夫?寝ていた布団の上にタンスが!地震相次ぐ日本列島「もしも」に備えた突っ張り棒 正しい使い方は

広畑 千春 広畑 千春

東北地方を襲った最大震度6強の地震から間もなく1カ月。SNSでは布団の上にタンスが倒れ、危機一髪だった…というような投稿も話題を呼びました。日本各地ではこの1週間に震度4以上の地震が8回も観測されるなど、地震が相次いでいます。実は、地震による人的被害の多くは「家具や家電の転倒によるもの」。頼みの綱の一つが突っ張り棒ですが、それも間違った使い方では効果が激減するのだそう。メーカーに聞きました。

布団の上にタンスが…九死に一生「怖かった」

「もし就寝していて、直前の震度4が無くて、いきなり震度6来てたら、死んでました」

3月16日午後11時36分に起きた最大震度6強の地震の約1時間後、布団の上に覆いかぶさるように倒れた、見るからに重そうなタンスの写真とともにつぶやいたのは仙台市在住のTwitterユーザー、マヒロッツォ(@ShizuAg)さん。またたく間に13.8万いいねが寄せられ、阪神・淡路大震災など過去の地震を体験した人たちからもコメントが寄せられました。

マヒロッツォさんに聞きました。

―状況を教えて頂けますか?

「11時半過ぎに布団で寝ようとしていたら、最初の震度4の地震が起きました。湯沸かし器や加湿器に水が入ったままのことを思い出して、揺れている中、慌てて2つを抱えて流しに持っていきました。水を捨て終えてホッとしたところで、再び揺れ始めました。それが震度6です」

「昨年2月に起きた強い地震の際に、冷蔵庫の上に置いていた炊飯器がふっとんだことを思い出し、炊飯器を抱えながら震度6の揺れに耐えていました。初めて体験した揺れでもうこのまま終わるのかと思いました。揺れが収まったあと、部屋を見回すと布団の横にあったタンスが、布団の上に倒れていました」

―いつもこの布団で寝ておられたんですよね。

「はい。いつも写真の、タンスが倒れていた場所で寝ていました」

―タンスの耐震対策は?

「突っ張り棒はしていませんでした。ですが、タンスや本棚の下には滑り止めの敷パッドを差し込んでいたり、重いものを下に置くようにはしていました。突っ張り棒は翌日にすぐ買いに行きました」

―このタンス…かなり重かったのでは…

「重かったです。改めて大変危険なところで寝ていたのだと痛感しました。また、タンスの引き出しについている金具が衝撃で壊れてしまい、収納するのに苦労しました。それと、寒さに弱い植物を4鉢、冬期の間だけ室内で育てていたんですが、そのうちの1鉢の砂が盛大にこぼれていました。畳の部屋なので、細かい砂がイグサのすき間に入り込んでおり、箒で掃ききってもざらざらが残っていて気持ち悪かったですね」

マヒロッツォさんは静岡出身で、4年前に仕事の都合で仙台に引っ越したといい、東日本大震災の時は高校生だったそうです。静岡では近い将来起きるとされる南海トラフ巨大地震を想定し、小中高での防災教育が熱心に行われ、マヒロッツォさんも小学生時代、防災新聞を全員作成したといい、普段もスリッパ、懐中電灯、非常食を手の届くところに置き、浴槽に水をためるなどの対策をしていたそうです。

ただ、突っ張り棒だけはしていなかったといい「ほんと恥ずかしい限りです」といい、「ツイッターを10年以上やってきましたが、ここまで大勢の方々に見られたのは初めてです。不幸中の幸いでなんとか生き伸びることができました。私の写真から少しでも皆さんの防災意識が高まればいいなと思います」と話してくれました。

ちなみに、その後、寝室に高い家具を置かないよう、断捨離をしたそうです。

その突っ張り棒の付け方、合ってる?

ただ、その頼みの突っ張り棒も、付け方によっては効果が薄れ、最悪の場合、外れてしまうことすらあるのをご存じでしょうか。日本で初めて突っ張り棒を開発し、「つっぱり棒研究所」や「超ラク防災」というホームページを開設して正しい使い方の普及に努めている、平安伸銅工業(大阪市)に聞きました。

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