その使い方大丈夫?寝ていた布団の上にタンスが!地震相次ぐ日本列島「もしも」に備えた突っ張り棒 正しい使い方は

広畑 千春 広畑 千春

真ん中や手前に付けるのはNG

―正しい転倒防止のつっぱり棒(耐震ポール)の使い方は?

「重要なのは、家具の上面に取り付ける場所です。家具は構造上、端の部分に一番強度があるので、突っ張り棒も家具の両端に1つずつ取り付けましょう。そして、どちらも壁の近くになるよう奥側に取り付けることが大切です。家具の重心移動を抑えて、前に転倒することを防止できます。もし家具の真ん中で、かつ壁から離れた手前の方に耐震ポールをつけている場合は、すぐに付け直しを検討しましょう」

「また、天井には十分な強度が必要です。どうしても強度が足りない場合は、竿縁にかかるよう天井と耐震ポールの間にあて木をして補強することもおすすめです。耐震ポールと家具の下に敷く耐震ストッパーを併用すると、さらに効果的にご使用いただけます。 東京消防庁でも推奨されている方法なので、大きい家具などにはぜひご活用ください」

―真ん中に付けるのはダメなんですね。

「そうなんです。ただ、SNSやユーザーさんとのコミュニケーションを通して、まだまだ転倒防止突っ張り棒を正しく使っていただけていないケースがよくあることや、地震が起こった”後”に商品について多くお問い合わせいただくこともありました。メーカーとして、皆さまへの情報発信がまだまだ足りていないと感じました。

―そこで、「つっぱり棒研究所」や「超ラク防災」のページを?

「はい。『“もしも”に備えるお手伝い』として、何かが起こる前に対策の行動をしておくことや、突っ張り棒といった防災商品を正しく使うこと、そして防災に関する情報を迷わずに多くの方に知っていただくことを中心に、情報発信を行っています。日々の暮らしを今より少しでも安心にお過ごしいただけるよう、まだまだこれからの状態ではありますが、今後も活動を続けてまいります」

選ぶなら「長い方」。インテリア性の高い商品も

同社によると、大きめの地震がおきた後は問い合わせや販売量が増えるといい、すぐに在庫不足になることのないよう、平時から在庫を多く確保し、供給体制を構築しているのだとか。

気になるお値段と性能ですが、「耐震ポールについては、サイズが最優先になります」と担当者。例えば70cmのところに取り付けたいけど、[50~75cm]と[65cm~100cm]の商品、どちらの商品を選ぶべき?といった場合は[65cm~100cm]を選んでください。ポールをなるべく伸ばさずに使うことでより効果が発揮できるので、長さに余裕がある方が安定して利用できるのだといいます。

突っ張り棒は見栄えが気になるという人もいるため、近年はインテリアに馴染むインテリアタイプの販売もスタート。担当者は「長く使えるものですので、機能や見た目、自分のこだわりにあったものという観点で選んでいただければ」と話します。

正しく備え、命を守るために―。同社の3代目で「つっぱり棒博士」としても活躍する竹内香予子社長は、昨年末、防災士の資格も取得。今回の東北の地震で被害に遭われた方へのお見舞いを述べるとともに、こうコメントしてくれました。

「近年の地震で人的被害の原因で一番多いのが『家具・家電製品の転倒』です。日本で暮らす限り地震の発生は避けられませんが、正しく備えることで被害を減らすことは可能です。一人でも多くの方に、正しい家具固定を実践していただき、安全な室内環境を実現していただきたいです。今回の記事もご参考にしていただけますと幸いです」

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