「日清のどん兵衛」シリーズを日替わりで毎日食べ続けるという挑戦をツイートしている人がいる。筋金入りの「どん兵衛マニア」である投稿者「矢吹亮@IlkmJoe」さんのこだわりを聞いた。
矢吹さんは4月10日付投稿で「コレクションも多くなり、賞味期限も近づきつつあるので、今日から一ヶ月ほど、 #まいにちどん兵衛 やります!」と宣言。同日からこのハッシュタグを付け、毎日違う種類の商品を食べ続けている。初日はベーシックな「きつねうどん(東)」で「もっちり麺に、関東風のダシが効いたスープ。食べごたえあるおあげが嬉しい。いつ食べても美味しい安心安定の味」と報告した。
5日目に食べた「あさりだしバターうどん」。矢吹さんは「どん兵衛の新たな名作ではと感動した。箱で買おうか」と絶賛した(「矢吹亮@IlkmJoe」さんツイッターより)
以降、(2)天ぷらそば(東)、(3)かき揚げ天ぷらうどん、(4)鴨だしそば、(5)あさりだしバターうどん、(6)濃厚担担太そば、(7)年明けうどん、(8)豚だしあんかけそば、(9)明太風あんかけうどん、(10)鶏南蛮そば、(11)ちゃんぽんうどん、(12)きつね焼うどん、(13)釜玉風うどん、(14)汁なしラー油そば、(15)担担うどん、(16)ラー油そば、(17)スパイシー豚カレーうどん、(18)きつねそば…と展開中(27日時点)。今後も続く。
矢吹さんは昨年末、「どん兵衛」がコンビニのキャンペーン対象になっていたので買い集めるようになったという。1976年の発売以来、「きつねうどん」と「天ぷらそば」の2種類が王道イメージだったが、近年はメニューの多様化と細分化が際立つ。その種類の多さに後押しされた。
日清食品の「どん兵衛」ブランド担当者は当サイトの取材に対し「現在販売中の商品は、サイズや地域ごとに味の違う商品を含めると、約50種類あります」と説明。さらに「既存の商品に磨きをかける一方で、年間30品ほどの新商品を発売し、若年層からシニア層まで幅広くご支持いただいています」とし、新商品については「(1)独自の技術力を駆使した商品 (例・史上最もっちもち麺、長寿祈願蕎麦など) 」「(2)コラボレーション商品 (例・ヒートテックどん兵衛など)」「(3) 季節を感じる商品 (例・春のあさりだしバター、夏の冷しぶっかけ、秋の月見そば、冬の年明けうどんなど)」の3点を重視して開発しているという。
「どん兵衛の小部屋」と呼んでいる自宅のスペース。「これでいつでも、どん兵衛を見て楽しむことができる」という(提供・矢吹亮さん)
矢吹さんは「元々、どん兵衛が好きで、以前、渋谷駅内にあった『どんばれ屋』(どん兵衛専門店。東西、北海道など各地の商品が食べられた。現在は閉店)によく行っていました。昨年末から買い集めたことにより、そのことも思いだし、どん兵衛愛が高まったのが大きいですね」と背景を明かす。
今回の企画でより認識したことについて、矢吹さんは「日清さんの丁寧な仕事ぶりに気付き、よりおいしく感じるようになりました。また、スーパーやコンビニに行く際は真っ先にカップ麺コーナーに行くようになり、新商品のどん兵衛があれば容器の色で気付くようにもなりました。次々と新商品が発売され、細かい違いで言えば、例えば、きつねうどんだけで東、西、北海道、液体つゆ、ソルトオフ、あっさりだし、とありますが、それらを含めると30種類を超え、毎日違う味を食べて1か月できるのではと考えたところで、単なるコレクションからツイッター企画に切り替えました」と振り返る。
印象的な商品について、矢吹さんは「『あさりだしバターうどん』に関しては初めて食べたということもあり感動が大きかったですね。あとは現在発売されている『釜玉風うどん』が前回好評だった噂を聞いていたので、食べることができ、その好評ぶりを認識できました。通常商品では『鴨だしそば』のダシがかなり丁寧な仕事をしているなと驚きました」という。
完走後、また、何らかの別ジャンルが対象になるのか。矢吹さんは「1か月という目標はありますが、それで終わりという訳でもなく、ストックや買い足しもあるので『もう一巡』できるぐらいです。どん兵衛という商品があったことで思い付いた企画ですので、他の商品ではやろうと思いませんね。同じぐらい良いご縁があればわかりませんが(笑)」。その思いを、同社の「どん兵衛」担当者は「これだけたくさんの『どん兵衛』をお召し上がりいただいていることに、ブランド担当者としても非常にうれしく思っています」と受け止めた。
同一ブランドの食品を1か月摂取するという意味で、記者は米国のドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」を連想したが、ハンバーガーと向き合う苦行のようだった同作に比べ、こちらの「どん兵衛愛」に貫かれた企画は折り返しを過ぎた時点でもう、ゴールには「幸せな結末」しかないと感じさせられた。