私の数少ない趣味のひとつ、それは献血。大学時代、(理由は忘れたが)バイト先の先輩に誘われて初めて血を献上して以来、なんとなく癖になって数カ月に1回のペースで続けている。
普段は地元・神戸の献血ルームを利用しているのだが、聞けば大阪では献血会場として高級ホテルが使われることもあるらしい。3月29日の会場は、なんと…あのザ・リッツ・カールトン大阪!? 正直、私生活では全く縁がないような格調高いホテルなのだが、献血するために足を踏み入れるというのもなかなか面白そうではないか。というわけで、ラブラッド会員(※)のページから予約して、いそいそと出掛けてきた。一張羅で。
(※)ラブラッド会員…献血者のWeb会員。会場のWeb予約や、ポイントを貯めて記念品と交換したりできる。
ラグジュアリーな空間…これが献血会場!?
ザ・リッツ・カールトン大阪は、JR大阪駅から歩いて10分ほど。重厚感と気品あふれる建物の中に入ると、思わずシャキッと背筋が伸びるような、それでいて全身がじんわりと安らいでいくような、なんとも不思議な感覚に包まれる。
献血会場に設定されているのは、2階の宴会場らしい。良さげな絵が飾られた廊下を進んでいくと…確かにあった! 赤地に黄色で大きく書かれた「献血会場」の文字や、赤い風船たちが鈴なりでキラキラ輝いているのを見て、「よし献血するぞ」という気分があらためて高まっていく。
広い宴会場に設けられたブースで体調や血圧などをチェックし、パーティションで仕切られた献血ベッドへ。「高級ホテルで献血」と聞いて、なんとなく「スイートルームのベッドに横たわり、眼下に広がる大阪の街を眺めながら」…という優雅な図を思い描いていたが、さすがにそんなことはなかった。
とはいえ、高級ホテルの宴会場というラグジュアリーな空間での献血は、やはりいつもの献血ルームでのそれとは気分が違う。しかも献血後は、ホテルからの「ささやかなプレゼント」として、小袋に入ったクッキーまでいただいてしまった。適度な非日常感も味わえて、誰かの役に立てるのならば、小一時間でできる気分転換としてはなかなか上等な部類なのではないだろうか。
高級ホテル献血は人気上昇中
ザ・リッツ・カールトン大阪は、実は10年以上前から、社会貢献の一環でホテルの部屋を献血会場として大阪府赤十字血液センターに提供しているという。現在は年2回ペースが定着しており、同ホテルの広報担当者は「ホテルの雰囲気を楽しめることが献血する動機になったり、逆に献血を機にホテルに親しみを感じていただけたりすると我々も嬉しいですし、やる意義を感じます」と笑顔を見せる。
大阪府赤十字血液センターによると、大阪で定期的に献血会場となっているホテルは、ザ・リッツ・カールトン大阪を含む6カ所。献血者を確保するために様々なキャンペーンを打ち出している同センターだが、「高級ホテルでの献血は人気があり、希望者も年々増えています」(担当者)とのことだ。
ホテル献血など今後のキャンペーンについては、同センターの公式サイトやTwitterで確認できる。
【大阪府赤十字血液センター公式サイト】https://www.bs.jrc.or.jp/kk/osaka/index.html
【Twitterアカウント】@osaka_kenketsu