川端康成も来た!京都・北山杉の里の家保存へ 若者ら奮闘、クラファンで資金募る

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 北山杉の里として知られる京都市北区中川地区で増える空き家を保存・活用しようと、移住予定の若者らでつくる一般社団法人のメンバーらが、改装資金をインターネットで募るクラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。4軒の民家や倉庫の改修費の一部に充てる予定で、他の地域には見られない独特の建築を残そうと挑んでいる。

 中川地区は川端康成の小説「古都」の舞台としても登場する。明治時代以前から杉材を加工し、京都市中心部で販売してきた。作業場や倉庫は小さく、住居と一体になっていたり近接していたりすることが多い。

 昭和期以降、中川地区の杉は特に床柱として珍重されたが、生活の洋風化に伴い、需要は減少。林業をやめる人もあり、地区固有の家や小屋も解体の危機に直面している。

 これらの建築物を保存しようと、若手の建築史家や芸術家らが集まり、2019年に一般社団法人北山舎(北区)を結成。地域に残る4軒を見学の拠点や宿泊体験施設に活用するための取り組みを始めた。

 今回資金を募っているのは、2軒のトイレ設置費と2軒の風呂など水回りの修繕費。5千円から受け付け、北山丸太1本を入手できる50万円のコースや、京都市中心部での宿泊を含む中川地区の見学(別途交通費が必要)ができる1万5千円のプランを用意した。

 北山舎の本間智希代表理事(35)は「目標額は500万円だが、さらには1千万円を目指したい。多くの人に協力をいただきたい」と話す。31日まで。詳細は「北山舎クラウドファンディング」で検索すると見ることができる。

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