まるでバラのように美しいタルト、どうやって作ったの? 「凄すぎて言葉が出ません…芸術品だ…」「人間の可能性を感じた」

福尾 こずえ 福尾 こずえ

「りんごのタルト🍎これから焼く~!スライスめちゃくちゃ頑張ったので見て」と投稿したのは、inu(@_inu_dog_wanwan、以下inu)さん。

なんと、この極薄のものはりんごのスライス! バラの花のようだと思ったのは焼成前のりんごのタルトだったのです!

Twitterでは13.2万いいねもつき、「凄すぎて言葉が出ません…芸術品だ…」「感動です」「りんごのタルトの概念がぶっ壊れた」「美しいし労力もすごい!!」「人間の可能性を感じた」と絶賛するコメントが続々。また、スライス方法、種のくりぬき方、変色の防ぎ方など質問も相次ぎました。

製菓店でパティシエールとして働くかたわら、プライベートでお菓子作りを楽しむ投稿者のinuさんに話を伺いました。

――りんごのスライスだと知ってびっくりしました!

「めちゃくちゃ頑張りました(笑)。スライサーを持ち合わせていなかったので、すべて包丁で。スライスするだけで1時間以上かかりました」

――すべて手切り!さらに驚きです。これはりんご何個分使われていますか?

「ふじりんご5個分です。ですが色の悪い部分などは省いていますので、もう少し少なくても作れると思います」

――このりんごのタルトはオリジナルレシピでしょうか?

「はい、オリジナルです。3回試作をし、今年1月の終わりに完成しました。要望もたくさんいただきましたので、レシピも公開しています。まだ基礎を学ぶ段階なので少ないのですが、今回のタルトを含めオリジナルレシピは5つほどあります」

――ビジュアルがとても美しいですが、テーマなどはありますか?

「はい。今回のタルトは幾何学模様をテーマにしました。レシピを作る際は、ビジュアルを先に決めて、後から味の構成を考えることが多いです」

――整然としていて本当に美しいです。りんごをここまで薄くするメリットは?

「ぎりぎりまで薄くスライスすることで花の芯を美しく巻けますし、華やかさが増します。また、火が通りやすくなるのもメリットです。オーブンから出してすぐは少し乾燥してしんなりしていますが、熱いうちにジャムを塗ることによってしっとりします」

――なるほど! このりんごの土台はタルトでしょうか?

「土台はタルトです。タルトのフィリングはアーモンドを使うレシピが多いのですが、今回はりんごと合わせるので胡桃のクリームを合わせました。間にキャラメリゼした胡桃を挟んで食感に変化をつけた点がポイントです。焼き上げたりんごにはラズベリーのジャムを塗って、赤みを足しています」

――とてもおいしそうな組み合わせです。今回のリプライで印象に残ったコメントは?

「焼く前の写真に度肝を抜かれて、焼くのが勿体無い、、とすら思ったけど完成品も美しくてカットするのが勿体無くて食べれない!」や「焼く前の仕上がりから完成までが芸術すぎる」「食べてみたい!」などのコメントを頂き本当に嬉しかったです(嬉しすぎてスクショしました)」

――お菓子作りで大切にされていることを教えてください。

「なるべく自分が好きなもの(絵や本など)を、作品に落とし込むようデザインしています。特に好きな世界観は、バロック様式です。絵画でいうと、岡村芳樹さんの油絵や印象派全般を好んでよく見ます。本では佐藤多佳子さんの「サマータイム」や、千早茜さんの「西洋菓子店プティ・フール」が好きです」

――お好きな世界観を聞いて納得です。スイーツ自体はもちろん、器使いもとても素敵ですね。

「ありがとうございます。祖母から譲り受けたものや、美術館、古道具屋で購入した器などを愛用しています」

――将来の夢をお聞かせください。

「ちいさな町でこじんまりとしたカフェを開くのが夢です」

そのときは、この美しいタルトが登場するかもしれないですね。今から待ち遠しいです! inuさんが手掛ける美しいスイーツを、目で舌で堪能できる日が来るまでTwitterの投稿を楽しみましょう。

■inuさんTwitter https://twitter.com/_inu_dog_wanwan

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