コロナ禍における現在、外出先や店頭では「手の消毒」が一般的となり、行く先々に消毒液のボトルが置かれています。今回、ある書店員さんがツイートした漫画に「こんな問題が起こってるなんて知らなかった」「次に行った時には気をつけます!」と気づきの声が次々とあがりました。こちらをツイートされた漫画家&書店員の佐久間薫さん(@sasakumako)にお話を伺いました。
漫画では、書店員が書籍整理中に雑誌がくっついていることに気づき、先輩に報告します。雑誌はびたっとくっつき、無理にはがすと破れてしまう状態。
「あーこれ消毒液が乾かないうちに触るとこうなるんだよな~あーダメだ返品だ」とがっかりする二人の様子が描かれており、「本に触れる前によく乾かしていただけると大変たすかります…」というお願いで締められています。
「コロナ禍での困りごと 本当に多いです」のつぶやきと共に投稿されたこちらの漫画ツイートに現在1万件を超えるいいねがつき、1.3万件リツイートされ、大きな反響を呼んでいます。
佐久間さんにお話を伺いました。
――「コロナ禍での困りごと」の漫画に、いつも書店を利用する身としてはハッとする思いがいたしました。こちらの漫画を描かれたきっかけをお聞かせください。
最近、私が店内整理をしていたら立て続けに発見しまして。消毒液設置当初は多かったと思っていたけど未だにこんなにあるんだ… と改めて知って描きました。
くっついた雑誌は2冊とも返品になる
――漫画にも描かれておられましたが、くっついた雑誌は2冊とも返品に?
くっつきあった雑誌は無理にはがすと破れるので2冊とも返品になると思います。そのまま返すと受け付けてもらえないので出版社に経緯を説明して了解が取れた後に返品します。
――それは書店さんも出版社さんも切ない事態ですね。くっついているのは雑誌が多いですか? ハードカバーや文庫本なども見つかったことがありますか?
はい、雑誌が主ですね。消毒液が設置してある出入り口付近に雑誌があるので、それが一番の理由かもしれません。書籍はないように思いますが、単に私が遭遇していないだけかもしれません。
――では、書店員の方々からお客さまへの願いとしましては、「書店に入る際にはマスクを、そして入店時には手の消毒をしてしっかり乾かして…」となりますか?
そうですね。できればお願いしたいです…。ただマスクが苦手な方もいらっしゃいますから、そういう場合は何か対応を考えたいと個人的には思います。手の消毒はすり込むことで効果を発揮するとのことなので感染防止の点からもお願いしたいですね。それとお札を舐めて数える方がけっこういらっしゃいますのでご遠慮願いたいです…!
――お札を舐めて!それは明らかにNGですね…。「消毒はしっかり乾かしてから」という注意点のほか、雑誌や書籍を可能な限りキレイな状態で維持するために、お客さまに対して書店で本を手にする時に心がけてほしいことなどあれば教えてください。
飲み物を手にして入店される場合は気をつけていただきたいです。水滴がついたカップを雑誌の上に置いたりするとふにゃふにゃになってしまいます。「飲食は禁止」という前提ですが…。
また、カバンや買い物袋なども本の上に置いてしまう方がいらっしゃいますが商品なのでご遠慮いただきたいです…。立ち読みの際もそこまで神経質になる必要はないのですが、他のお客さまが買うかもしれない本来きれいな状態であるべき「商品」ということを忘れずにお願いしたいです。
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「本を選んでいる時のトラブルや、その他、本にまつわることは何でもお気軽に書店員までご相談を」と語る佐久間さんによる、書店の仕事内容や接客業あるある満載の『本屋の堀ちゃん』は双葉社から発売中。前日譚の『カバーいらないですよね』(双葉社)も合わせて読むのもオススメだそう。その他『猫ニャッ記』『ねこ書店』(文藝春秋)『そこらへんのおじさん物語』(青林工藝舎)も発売中。
【佐久間薫さん関連情報】
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■『本屋の堀ちゃん』(双葉社) https://www.amazon.co.jp/dp/4575316938/ref=cm_sw_r_tw_dp_HV6XP8QGQTFBWSCG9QAK?_encoding=UTF8&psc=1