オミクロンはただの風邪?  季節性インフルと比べても「タチの良い」ウイルス

松本 浩彦 松本 浩彦

 オミクロン株が感染爆発していますが、感染者の増加率は下がっています。沖縄はすでにピークアウトに移行したようで、これは日本全土がピークアウトに向かう予兆だと考えられます。そもそもオミクロンを新型コロナに分類していいのか、第6波というけど、新型コロナとは異なるウイルスの第1波ではないのか、オミクロンは2類感染症から5類に格下げしていいのではないか。

 市井ではさまざまな意見が入り乱れています。検査なしの「みなし陽性」などという仕組みは、患者さんだけではなく、私ども医者も困惑しています。油断は禁物ですが、私の経験では、ワクチンを2回接種した人にとって、オミクロンは「ただの風邪ウイルス」と言っても過言ではありません。この世の誰も抗体を持っていない、人類が初めて遭遇するウイルスですから、世界中で流行して感染者数が日々最多更新されるのは当然です。

 オミクロンに関しては、世界中から報告される数字を見る限り、重症化率も致死率も、季節性インフルエンザと比べても、かなり「タチの良い」ウイルスに思えます。先日ようやく濃厚接触者の待機期間が短縮されましたが、オミクロンに関しては第5類感染症に格下げしても私は良いと思います。次の変異株が強毒性だったらどうするんだ。その時はまた2類にあげればイイ、なんて政府が柔軟に考えてくれるとうれしいのですが、組織が大きくなるほど柔軟な対応は難しいでしょうね。

 ステルス・オミクロンという、より感染力の強い亜種まで出現し、安心はできませんが、病原性は同等もしくはそれ以下との報告も。新型コロナが、感染力と毒性が反比例するウイルスに変わったとすれば、それは光明と言えるのですが。

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