「2月14日ってなーんの日?」「そうだね。煮干しの日だね!」全国煮干協会に聞いた

竹内 章 竹内 章

2月14日が近づいてきました。今年も革命的非モテ同盟が「バレンタイン粉砕」の旗を掲げ、東京・渋谷でデモ行進をするのでしょうか。浮かれたリア充を傍目に、この甘い空気に今一つ乗りきれない男女の皆さんに朗報です。2月14日は、日本が誇る煮干しの日です。全国煮干協会(東京)に聞きました。

日本料理の決め手と言える出汁のうま味。煮干しは、鰹節だしの有用性が広く知られだした江戸中期前後に、高価な鰹節の代用品として使われるようになったとされます。マイワシやカタクチイワシをはじめ、アジ、トビウオなどとにかく煮て干した魚は煮干しになります。

で、なぜ2月14日? 全国煮干協会によると、2を「に」、4を「し」と読み、1を「ぼ(棒)」とみなすという脱帽のセンスで、2月14日を選んだそうです。煮干し魚類の普及啓発に活用することを目的に、1994年に協会の理事会にて決定しました。「2004年5月に通常総会ではロゴマークを決定し、会員には煮干しの包装にこのロゴマークの印刷をお願いしています」と担当者は説明します。なお、バレンタインデーの中止を求めるような野暮な目的は一切ないそうです。

煮干しを熱く語る京大生

取材を進めると、ネット上に、煮干し愛を熱く語る記事を見つけました。筆者は京大生のようです。

「バレンタインデーとは、表向きは男女の愛の誓いとして祝われる日ですが、実際には人々がチョコ会社の手のひらの上で踊らされる悲惨な日です」と一刀両断。「よかれと思ってチョコを贈ったが最後、愛するあの人はカロリー過多の被害者となります。そのような悲劇を避けるべく、栄養豊富なにぼしを贈ることで愛を育むことが望ましいでしょう」と説きます。

その上で、チョコと煮干しの100グラム当たりの栄養成分を表で比較するという京大生らしい理論武装。エネルギーや炭水化物はチョコの方が多いですが、カルシウムやリン、鉄、ナトリウム、カリウムは煮干しがチョコを圧倒。「表を武器に、煮干しの素晴らしさを説きましょう。京大生ともなれば、きっとにぼしの魅力に気付き、チョコへの幻想を断ち切ってくれるでしょう」と熱く語ります。なんなんだ、この人、チョコに故郷の村を焼かれたのか…。

調べると、記事は京大生協が発行する機関誌「らいふすてーじ」2014年2月号に掲載されたものでした。生協によると、生協学生委員会のらいふすてーじ編集部に所属する学生が記事を執筆するそうで、「たかし」というペンネームの学生によるものでした。なぜ、ここまで熱く語るのか、気になるところですが、「10年近く前の記事であり、たどるのは困難と思います。おそらく今頃は社会人でバリバリ働いていると思います」(京大生協)とのこと。

たかしさんは今も理想に生きているのでしょうか。まさかとは思いますが、革命的非モテ同盟の中に…。

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