「速報 私の妻がこれを手紙を送る際に封筒がわりに使っていたことが本人への取材で分かりました。理由は「綺麗だから」と話しておりました」とツイッターで投稿した、東ヨーロッパにあるジョージアのティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使(@TeimurazLezhava)。こ、これって…。
東ヨーロッパにあるジョージアは、日本人にとってはあまりなじみのない国かもしれませんが、在日ジョージア大使館およびレジャバ駐日ジョージア大使は、SNSを通じてさまざまな情報を発信しており、こちらのつぶやきもそのひとつ。5.1万ものいいねがつき、今回取材をお願いしました。
祝儀袋の美しさに惹かれて
――奥様が祝儀袋を封筒代わりに使っていることは、いつ、どのように発覚したのでしょうか?
「日頃の生活で薄々気づいていました。ある日、本人に、さりげなく何に使っているのか聞いてみたのです。やはり手紙の封筒として使っていた、とわかった決定的な瞬間でした」
――書いた手紙を祝儀袋に入れて、切手を貼って郵送されていたということですか?
「いえ。郵送はしていません。いただいたコメントの中にも、郵便局に関するものも多かったのですが、相手に直接渡すパターンがほとんどとのことでした」
――なるほど、郵送ではなかったのですね。
「これは、妻から聞いて、分かったことなのですが、祝儀袋に手紙を入れることはなく、祝儀袋を開いて内側の白い部分にメッセージを書いて、プレゼントに添えて、相手に直接渡していたそうです。妻は、“祝儀袋を開いたときに、メッセージカードが入っていないことをずっと不便に思っていた”とも私に話してくれました」
――奥様は祝儀袋のどこに惹かれたのでしょう?
「飾りのリボンの部分が綺麗でとても印象的であることから、これは日本ではよく使われる入れ物だと思ったとのことです」
――飾りのリボン、つまり水引きですね?
「リプライでも、多くの方が「水引」という言葉を使っているのが印象的で、何のことだろう?と調べました。リボンのような線のことを指す名称だとわかって勉強になりました」
――ジョージアには、日本の祝儀袋に相当するようなものはありますか?
「特にありません。現金を直接渡すか、その場にある封筒を使って渡します」
「妻も状況を把握した様子です」
――多くの方から反響がありました。
「祝儀袋を封筒のように使っている妻の姿に少し違和感を持ちながらも、可愛らしいと思ったのでなんとなく紹介したまでです。私の想像以上に反応があったので、驚きました。取材も受けましたし、海外から見た日本文化の受け止め方が日本の方には新鮮に映るんだな、と新たな発見がありました。」
――奥様はこの状況をご存知ですか?
「本人にはあえて言わずにツイートしたんです。その後、時間が経ち、ツイートに対してあまりに多くの反応があったため、それを見せたら、「え、どうして?なんで?」としつこく聞いてきました。本人もコメントを翻訳して、見ているうちになんとなく状況は把握した様子。反響を呼んだ理由もわかったようです」
それらの反応は、「水引」の美しさに気づいてもらえてうれしいという日本人としての声がほとんどでした。
「発想が日本人には斬新。メッセージカードに使うなんて嬉しいです」
「祝儀袋はお金をかけて飾りを華やかにしても、受け取った人は中身を取り出したら処分してしまうだけなので、メッセージも添えれば祝う人の気持ちも感じてもらえそうですね。新しい形の祝儀袋のアイデアにもなりそう」
「おめでたい物なので、受け取って気を悪くする人はいないと思います」
「発想が素晴らしい 奥様可愛らしい」
「ジョージア国旗と同じ色使い!」
「ヨーロッパでは中世、一枚の紙に文章を書いて内側に折り込んで封蝋で封印して送っていたとか。理にかなっていて良いですね」
「私のアメリカ人の友人はペンケースとして使っていました」
「職場(高校)に短期留学で来た生徒が、「黒い方」でお家に近況報告の手紙を出していたのを目撃しました。黒はティーンには「カッコ良く」見えたようです」
「香典袋でなくて良かった…。 昔、日系ブラジル人の男性から香典袋に入ったラブレターをいただいた事がありました」
日本でジョージア体感
まずジョージアがどんな国かというと、首都トビリシの旧市街や「天国にいちばん近い教会」と言われるツミンダ・サメバ教会、ヨーロッパ最後の秘境と呼ばれるウシュグリ村などたくさんの絶景に恵まれた観光国。大使によると、最近はクリエーターやエンジニアの方で、ジョージアを生活の拠点にしている方が増えているそうです。
しかし、現在は新型コロナ感染症の流行で往来が難しくなっているため、日本国内でジョージアの文化を楽しめるよう、さまざまなことに取り組んでいます。
「ジョージア料理『シュクメルリ』が多くの会社や団体で商品化・メニュー化されたことはとても喜ばしいこと。シュクメルリをはじめとするジョージア料理のレシピを動画で紹介していますので、ぜひご覧ください」とのこと。ワイン発祥の地でもあり、ジョージアの魅力的なワインが手に入ることもアピールしていました。
さらに、日本・ジョージア外交関係開設30年を記念して、ミニシアターの草分け的存在、岩波ホールでジョージア映画祭を2022年2月25日まで開催中。今後は、全国を巡回予定です。「選りすぐりの30本以上の名作が放映される滅多にない機会です。ぜひ多くの方にお楽しみいただきたい。まずはさまざま形で「日本でも楽しめるジョージア」を経験し、やがてジョージアを訪れて頂きたいです」。
動画を見たり、映画祭に行ったり、身近なところからジョージアに親しんでいきたいですね!
■ティムラズ・レジャバ 駐日ジョージア大使Twitter https://twitter.com/TeimurazLezhava
■在日ジョージア大使館Twitter https://twitter.com/GeorgiainJapan
■ジョージア映画祭 https://georgiafilmfes.jp/