“イブリガッツォ”を信州の宿のおばあちゃんが考案 「素晴らしいアイデア」「絶対美味いやつ」

太田 真弓 太田 真弓

熱燗が恋しくなる寒い季節、世の呑兵衛たちが黙っておけない、おばあちゃん考案の「イブリガッツォ」という創作料理の写真がタイムラインを駆け巡りました。

それは、大根を燻して乾燥させた秋田を代表する漬物「いぶりがっこ」にクリームチーズをはさんだ「おばあちゃん作 イブリガッツォ」。見た目は、バターサンドやクッキーサンド?まさに昨年ブームを巻き起こしたマリトッツォのよう!スモーキーな風味とクリーミーな味わいがマッチした最高のアテの完成です。

こちらを作ったのは、ツイートした柏原周平さん(@backyennew)のお母さま。柏原さんに息子さんがいらっしゃるため、家族内では「おばあちゃん」と呼ばれているそう。

柏原さんご家族は現在、「旅館 木塵」(長野県北安曇郡白馬村)を経営されており、今回の「イブリガッツォ」が完成した経緯などをお伺いしました。

「これに味付けノリをサンドしても美味しそう」
「日本酒のお供が好きです」
「素晴らしいセンス!!日本酒片手に待っておきます。」
「すばらしいアイデア!」
「コレは絶対美味いやつ」
「呑兵衛大歓喜」
「味の魔改造…!」
「グランマ、素敵です。オシャレだなあ」
「マリトッツォは胃もたれで食べれなかったけどこれはとても食べたい」
「おばあちゃん!!ひとつください!!」

写真を見かけた方々も日本酒を片手に集合しそうな勢い。そんなメニューを紹介してくれた柏原さんにお話をお伺いしました。

――お母さまはこちらをどのように思いついたのでしょうか?

母が昨年末、友人と秋田旅行に行き、お土産にいぶりがっこを購入しました。昨年流行ったマリトッツォを参考に創作したものです。ネーミングは察しの通りダジャレです。いぶりがっことクリームチーズを合わせたオードブルは以前にも作ったのですが、マリトッツォを参考に構成してみたのは初めてです。

――イブリガッツォのレシピを教えてください

■材料

○いぶりがっこ・・適量
○クリームチーズ・・適量

いぶりがっこを輪切りではなく「八重作り」(途中まで刃を入れて、次の刃で切り離す)にしてクリームチーズをはさみます。

――食べてみた感想はどうでしたか?

この日、宿泊のお客様への料理の1つとしてお出ししました。日本酒の好きな常連の方だったので喜んで頂けたようです。スモークの香りと塩味、クリームチーズの柔らかい口当たりにパリパリの歯応えが楽しいおつまみです。この日は美味しい日本酒と楽しみました。

――日本酒以外にも合う飲み物はありそうですか?

この日は日本酒に合わせましたが、この料理の特徴としてビールやワインにも合うと感じています。

――お写真、お母さまの周辺に様々な食材が見えます。

うちの旅館では、色々なアイデアで挑戦的な創作料理をお出しして楽しんでもらっています。この時も色々な漬物と数種のチーズ等を組み合わせて試作をしました。この日、他のメニューとの組み合わせが最も良かったものを提供しました。

――現在7万のいいねがつき、「作ってみた」とたくさん引用リツイートもされていましたね!

「みんなお酒とおつまみが大好きなんだな」と感じました。海外の方が何名か「いぶりがっこを日本の思い出の味」としてあげていたのが印象的でした。

――こちらのツイートをご覧になった読者の方に何かメッセージがあればお願いします。

コロナ禍で我慢が続いていますが、材料さえ手に入れば家でも簡単にできるおつまみです。作って楽しみましょう。

また、白馬村で「旅館 木塵」を経営しています。畑をし、田んぼで米を育てて季節の創作料理を出しています。妻も宿のお土産として人気の手作りジャムを手がけており、地元の生産者やマーケットでの繋がりを大事にしながら活動しています。

現在、予約は受けているのですが、ネット予約を止めています。人数制限とグループ数コントロールのため、電話とツイッターDMやメールのみで受けています。いつでもお問い合わせいただければ幸いです。ぜひ遊びに来てください。

いぶりがっこの危機を案じています

また柏原さんは、「いぶりがっこの文化の火が消えてしまうピンチに面していることが気になっています」と、食品衛生法が改正され、漬物製造業が許可の必要な業種になったことについても触れています。経過措置が3年があるとはいえ、基準を満たすための改修費など、ご高齢の生産者の方々が製造を存続させるにはかなりハードルが高いのではないかと心配されています。

――こちらのニュースに関して、柏原さんの思いをお聞かせください。

いぶりがっこは大好物です。旅行に行った母がお土産物屋さんで、いぶりがっこにはいろんな種類と生産者がいて全部味や特徴が違うことを知り買い物を楽しんだようでした。その文化に影響を与えてしまわまないかは気がかりです。今回のことで注目と需要が高まり小さな生産者が守られる事を期待しています。

◇  ◇

 “イブリガッツォ”は、いぶりがっこがあってこその逸品。日本酒クイッのゴキゲンなアテの主役がいつまでも美味しくいただけますようにと願わずにはいられません。左党のみなさま、“イブリガッツォ”づくり、ぜひお試しを。

また柏原周平さんは、白馬南小学校のPTA会長を担当し、白馬村最古のスキー場と小学校ピンチを救うために活動を始めています。現在はクラウドファンディングに挑戦予定でプロジェクトの審査中とのこと。

【柏原周平さん関連情報】
■旅館 木塵 https://t.co/Qyq0MMUAQh
■白馬村最古のスキー場と小学校の授業を守りたい!プロジェクト https://camp-fire.jp/projects/545700/preview?token=19jz0zlm

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