どう見てもツヤツヤでおいしそうなマグロの刺身…実はこれお菓子なんです「三度見しました」

泡☆盛子 泡☆盛子

「私、魔女のキキ!こちら、推し琥珀糖を作るはずだったのに出来上ってしまった見事なマグロの赤身!」というツイートが注目を集めたのは、patata cakes(@uri_patata)さん。投稿したのは、リキュールとスパイスのお菓子屋さん「patata cakes」(パタタ ケイクス)の製作担当・uriさんで、二度見不可避な画像とクスッと笑えるコメントに4万以上のいいねが集まりました。

「琥珀糖」とは、その透明感のある美しい見た目から“食べる宝石”とも呼ばれる和菓子のひとつ。寒天を煮て溶かし、砂糖や色付け用の素材を加えて冷まし、乾燥させたものです。結晶化した表面はシャリッと薄氷を思わせる食感、中は硬めのゼリーのようにぷるんとしているのが特徴。

uriさんが赤ワインやスパイスで作った琥珀糖はどう見てもおいしそうなマグロの刺身。リプ欄にも「おしゃれに盛り付けられたマグロのブツ切りかと」「マグロがたくさん、美味しそうと見てたら琥珀糖と知って三度見しました」「横に抹茶餡置いたら完璧に刺身ですね……」「醤油をかけて食べたくなりますね」とマグロ絡みのコメントが続出しました。

uriさんにくわしい話をお聞きしました。

──この琥珀糖を作ったきっかけを教えてください。

琥珀糖を作成するにあたり、新しい機材のチェックやレシピの見直しなどを行っておりました。ちょうどその時期に始まったテレビアニメ『Fairy蘭丸』のキャラクターがもつ魅力に取りつかれ、せっかく試作をするのならいっそ好きなキャラクターモチーフの琥珀糖を作ろうというのがきっかけでした。

機材を一新したため何度も失敗を重ねてしまい、推しがモチーフでなければ途中で投げ出していたかもしれません。「マグロの琥珀糖」は焔属性のキャラクターがモチーフとなっており、赤ワインと数種類のスパイスを使い、炎をイメージしてカットしました。

試作中にふと「試作というか、今回のは“推し琥珀糖”だから原価率を考えなくてもいいかな?」という気持ちになって、うっかり大量のワインを投入してしまったのですが、それがより深みのある赤へとつながったのかもしれません。

──パティシエさんにとって、琥珀糖というお菓子はどんな魅力がありますか?

私はずっと洋菓子を作ってきたため、宝石のような儚さと美しさを持つ琥珀糖という和菓子は自分自身にとって未知への挑戦でもあります。飴細工とはまた違った美しさが魅力です。

──今回「これ、マグロだな…」と気づき始めたのはどの段階で?

琥珀糖の撮影の時です。何度取り直しても「新鮮な立派な赤身」に撮れてしまい、途方にくれました。ですが、投稿がバズってからは「どこに出しても恥ずかしくない、立派で美味しそうなマグロの赤身を作ることができたんだな!」と誇らしくなりました。

──その後、マグロ琥珀を含めた全5種類の完成品を作画監督さんにご恵贈されたとのツイートを拝見しました。もともとそのご予定だったのでしょうか? 

当初お贈りする予定はなく試作のままで終わらせる予定でしたが、素晴らしい作品をお作りになったスタッフ様へ少しでもお礼を伝えられたらと思い、お贈りさせていただきました。お喜びいただき、たいへん光栄に思います。

また、今回のマグロの琥珀糖をきっかけに『Fairy蘭丸』に興味を持ってくださった方もいらして、いちファンとして心から嬉しいです。

──ほかの色の“推し琥珀糖”も、スタッフさんが感激のハイクオリティでした。これまでも琥珀糖を作ってきたのですか?

季節やイベント等で内容は変わりますが、コアントローやパライソ、ミスティやサントリーローヤル等、主にお酒を使った琥珀糖を販売しています。

──お酒好きにはたまらないラインナップです! リキュールとスパイスを使うのはなぜ?

私自身、スパイスやお酒が好きで、一般的に販売されているお菓子に物足りなさを感じていました。せっかくお菓子屋さんを始めたのだからと、大好きなお酒やスパイスをたっぷりと使って作っております。

──「マグロに見える琥珀糖が欲しい!」という人(私も含めて)多いと思うのですが、今後販売のご予定は?

6月29日から、「赤ワインとスパイスの琥珀糖」として、東京・東高円寺にある友人のカフェ『cafe Birdbath』にて販売します。取り置きや予約は直接お店までご連絡ください。

──最後に、好きなお刺身はなんですか?(笑)

マグロ…と言いたいところですが、スズキの炙り刺身が大好きです(笑)。

   ◇   ◇

「patata cakes」さんは店舗をもたず、カフェやイベントでの委託販売が中心。今回の推し琥珀糖以外にもさまざまな味わいのお菓子を作っているそうで、過去の作品を紹介してもらいました。

①サブレポッシュシトロン
キュッと酸っぱいレモンアイシングと、ふんわりとした苦みのあるレモンのクッキーです。

②パルフェタムールの琥珀糖
ニオイスミレや薔薇が原材料。媚薬としての効果もあったと言われ「完全なる愛」という意味のリキュールを使った琥珀糖。

③デッドフィンガークッキー
数種類のスパイスと蜂蜜を使い、魔女が錬成した「ヒトの指のクッキー」です。

「好みのお菓子♡」と思った方は、patata cakesさんのツイッターや委託販売先のサイトをチェックして入手のタイミングを狙ってみてくださいね。

委託販売先:東京・東高円寺『cafe Birdbath

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