年間を通して比較的温暖な気候から、瀬戸内海屈指の観光スポットとしてその名を全国に知らしめる香川県の小豆島。3年に1度行われる瀬戸内国際芸術祭が今年4月に実施されることもあり、改めて注目度が高まりそうですが、他方で、この小豆島は水産品・農産品とも豊富なエリアで食の宝庫でもあります。
ここ小豆島でオリーブと柑橘を扱う農園・井上誠耕園が運営するレストラン・忠左衛門では、地元食材を反映したパスタソース「じゃころんちーの」といった商品を昨年リリース。パスタを茹で、和えるだけで絶品のスパゲッティになるというもので、すでに複数メディアで話題になっています。
2人前140gで1263円(税込)ですが、小豆島ならではの「味」を楽しめる絶品パスタソースとのこと。これは気になる! というわけで筆者もこの商品を取り寄せ、実際にパスタにしていただいてみることにしました。
市販品ではあり得ないオリーブオイルの風味とちりめんじゃこの香ばしさがベストマッチ!
冒頭でも触れた通り「じゃころんちーの」を使ってのスパゲッティはいたって簡単です。パスタを普通に茹で、茹で上がったパスタと「じゃころんちーの」を和えるだけ。さっそく作ってみることにしました。
「じゃころんちーの」を和えたパスタは、それだけでも十分美味しそうなビジュアルですが、今回は筆者の仕事場の冷蔵庫にあった水菜も加えていただくことにしました。じゃこ、唐辛子、オリーブオイルの風合いに、手軽な野菜を加えることで、より美味しくいただけそうに思ったからです。
いただいてみると、これがもう……絶品! まず「じゃころんちーの」オリーブオイルが市販品のそれよりも風味豊かで美味しく、これにじっくり煮詰められた瀬戸内海産のちりめんじゃこと、唐辛子の風味が香ばしく口の中に広がります。パスタソースとしてのクオリティは相当なもので、ごくごく簡単にレストランの味を楽しめるといった意味で、他ではなかなかなく、そしてこの味に出会うと病みつきになるようなパスタソースだと思いました。
小豆島は、日本屈指のオリーブの名産地
感動にも近い印象を受けたこの「じゃころんちーの」ですが、そもそも小豆島では100年以上前に「オリーブ」が植えられたという、名産地です。「じゃころんちーの」の販売元・忠左衛門の担当者の方に聞きました。
「小豆島にオリーブが植えられたのは1908年です。そもそも何故、小豆島にオリーブが植えられたのかと言うと、1904年~1905年の日露戦争で広大な漁場を獲得した日本が海産物の保存方法としてオイル漬けに着目した政府が、オリーブオイルの国産化を目指し三重・鹿児島・香川県小豆島の3ヶ所を試験地として指定したからです。
その中で唯一栽培に成功した小豆島は、その後オリーブの生産地として試行錯誤を重ねながら栽培・加工の技術を高めていきました。今の小豆島オリーブの発展は、先人たちの努力と工夫があってのものです。
小豆島オリーブの特徴は、収穫の際にいまだに一粒づつの手摘みを行っていること(スペインなど海外は大量生産のため機械を用いて収穫)。また、小豆島の特産品・オリーブの新漬けがあり、これは日本にオリーブを馴染ませるために日本人好みの塩漬けにしたところから生まれました。小豆島のオリーブの味は本場スペインの風味の強いパンチの効いた味と比べ、繊細でまろやかな優しい味が特徴です」(忠左衛門・担当者)
なるほど! だから、市販されているオリーブオイルよりも風味が豊かだったというわけですね。忠左衛門ではハイクオリティなオリーブオイルと、地元・瀬戸内海産のちりめんじゃこを合わせた「じゃころんちーの」を何度も試作し、昨年末にやっと販売に至ったそうです。
「地産地消にこだわる忠左衛門のスタッフは、『もっと多くの人に瀬戸内の良さを広めたい』と考え、そこで着目したのがペペロンチーノでした。ご家庭で作るのは意外と難しいものの、簡単に、そして美味しく味わうことのできる和風ペペロンチーノの素として開発しました。ちりめん・アンチョビ・柚子こしょう・野菜ブイヨンの旨味とオリーブオイルが凝縮し、食べた瞬間に旨味が口いっぱいに広がる味わいです。パスタソース以外に、ご飯と一緒に炒めて炒飯にしたり、焼いたネギや茹でたブロッコリーにかけたり、ほうれん草と一緒に炒めてソテーにしたり、食パンにチーズと一緒に乗せて焼いてピザ風にしたりと、パスタ以外の料理にも使うことができ、実際に食べられた方からはこういったアレンジの話もよくお聞きしています。
瀬戸内の食材の魅力をふんだんに詰め、旨味をたっぷり凝縮させた『じゃころんちーの』の美味しさ、是非多くの方に味わっていただき、小豆島・瀬戸内の魅力も感じていただければ幸いです」(忠左衛門・担当者)
そもそも忠左衛門自体が、オリーブオイルを使ったメニューが人気のお店ということもあり、この「じゃころんちーの」はある意味、お店を象徴するパスタソースと言って良いかもしれません。是非一度お試しください!