本番は厚底、フォーム固めは一本歯げた?「効果抜群、履けば分かる」高校駅伝躍進の陸上部で実証済み

京都新聞社 京都新聞社

 昨年末の全国高校駅伝に4年連続で出場した滋賀学園が、工夫を凝らした練習で走力の底上げを図っている。使う道具は1本歯げた。陸上に一見不似合いだが、フォーム固めのためにウオーキングに取り入れ、選手は確かな手応えを得ている。

 選手が履くのは、高さ約10センチで通常より1本少ない1本歯。4、5年ほど前から練習で使っている。大河亨監督が、野球選手の練習法として紹介されたテレビ番組を見て、陸上部で導入した。「効果は抜群だった。言葉で説明するより履いてみれば分かる」と話す。

 手を大きく振り、一歩ずつ踏みしめながら歩く-。1本歯は不安定なため、歩くだけでも腕や上半身全体を使う。全身を連動させる感覚や足の裏で地面をつかむ感覚を養えるという。「フォームの基礎作りにはもってこい」と大河監督。主に下級生が朝練習で使い、2、3年生もけが明けなどに履く。

 同高は一昨年の都大路で過去最高の12位。昨年は18位に食い込み、全国の強豪と互角に渡り合っている。昨夏の全国高校総体3000メートル障害に出場し、初めて駅伝メンバーに選ばれた中野裕太主将は「体全体を使って走れるようになった。走り方の根本を作るのに最適な練習」と効果を語る。

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