小さい子どもは存在そのものが予測不可能で理解しがたいもの。泣いていたり、怒っていたりするのを見ると心配になりますが、いざフタを開けて理由を聞いてみると、「え、そんなことで?」とビックリするようなきっかけだったり、「泣くほどのこと?」と笑ってしまうような内容だったりったりすることってありますよね。子ども本人はいたって真剣だったりしますが、それもまた笑える要素だったりします。つい笑ってしまった子どもの行動と、興味深かった「子どもなりの理由」について、保護者のみなさんに聞いてみました。
「ママはいやだ!」でもその理由は…
どんなに小さくても、「ママはいやだ」「ママはダメ」なんて言われたらかなりショックですね。でも、理由を聞いてみると、「なんて可愛いんだー」「面白すぎる!」と、思わず笑ってしまうことも…。
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▽一口が大きかったから
あるとき、娘が「パパどうぞ」とパンをおすそ分けしていました。「ママにもちょうだい」というと、「ママにはあげない」とそっけない態度。「なんでよ~」と聞くと、何日か前に娘が「どうぞ」と差し出したアイスをかじった一口が(娘の)想像以上に大きかったからだそうです。ごめんよぉ~…ってか、根に持つタイプ!?〔Hさん、子ども3歳〕
▽パパがいい!!
お風呂はだいたい一日おきに主人と私が交代で入れていますが、私と入る日でも「パパがいい」と言い出しました。パパはお風呂でオナラごっこ(洗面器でボコボコっとやる)が上手だからそう。確かに、主人と入るとずっと笑ってるなーと思っていました。「ママもやるからさ」と一緒に入った時やってみましたが、「ママ下手」と却下…オナラごっこで「パパがいい!」になるとは。〔Eさん、子ども3歳〕
▽仮面ライダーをバカにしたから!?
思春期真っ盛りの高校2年の息子。3歳から仮面ライダーにハマっていたのですが、6歳くらいのとき、当時見ていた仮面ライダーのコスチューム(?)がちょっと面白い形だったんです。私が何気なく発した「なんか今年の仮面ライダー可愛らしいね」という一言に「仮面ライダーは可愛くなんかない!かっこいいんだよ!」と泣きながら猛反発。悪いと思いながら、思わず笑ってしまいました。私が笑ったことにも腹が立ったようで、それから1カ月くらいは「ママは仮面ライダーをバカにした。嫌い!!」状態でしたね。今思うと可愛いかったなぁ…。〔Tさん、子ども17歳、14歳〕
▽七星じゃない!
てんとう虫が大好きな息子。今では家じゅうてんとう虫グッズだらけです。初めてのてんとう虫グッズとして、てんとう虫のイラストがついたリュックを買ってあげました。喜んでしばらく見ているうちに、「違う!ママ嫌い!」といきなり怒り出しました。「え、なんでなんで?嫌い!?」と思っていたら、「七星じゃない!!!」と(点が5つしかなかった)。まだ数もろくに数えられないのに、それだけは分かるのね…と、ちょっと笑ってしまいました。〔Wさん、子ども4歳〕
そんな理由で泣く!?ある意味羨ましい…
大人だって泣きたいときはある、でも気やすく泣けない。子どもはそんなことまったく気にせず、ささいな理由でアンアン泣いちゃうことも。ちょっと羨ましい…なんて思ってしまうこともあります。
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▽自分で食べたんじゃん…
大好きなボーロの食べ終わった袋を見て、「ないない~ないない~」と大泣きの次男。自分で完食したんじゃん(笑)。〔Yさん、子ども5歳、1歳〕
▽そうじゃない!!
食べやすいように、とパンをふたつに割ったら、いきなり大号泣。「違うのー違うのー」と言い続けるので、「何が違うの?」と聞くと「ぜんぶ(が)よかったー」と。割らずに丸っと食べたかったようです。〔Sさん、子ども2歳〕
▽テレビと違う~
今はもう図体のデカい中3長男。3歳くらいのときに、大好きなキャラクター(着ぐるみ)に会えるイベントに連れて行きました。喜ぶと思ったら、実際に会うと怖がって大泣きでした。「(テレビと)違うー!怖い~~」と叫ぶので、たぶんキャラクターの中身の人も苦笑いだったと思います。〔Tさん、子ども15歳、10歳〕
▽自分の誕生日は!?
妹の1歳のお誕生日、ケーキを囲んで「ハッピーバースデー」の歌を歌い終わると、長男が「ボクのお誕生日は?プレゼントは?」としくしく泣き始めました。「A(長男)のお誕生日は来年の4月だよ」と言うと、納得しながらもずっとしくしく泣いていました(苦笑)。〔Uさん、子ども3歳、1歳〕
小学生の「むむむ」と思わせる理由とは
少しずつ心と体が成長していく小学生の、ちょっと理解不能、でもちゃんと聞くと「なるほど、むむむ」と思いつつ、つい笑ってしまう理由を紹介します。
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▽弟の水筒じゃん!
間違えて弟の水筒を持たせてしまったことがあり、帰宅後むちゃくちゃ怒っていました。そんなことでそんなに怒るか!?と思いつつも謝りながら、「恥ずかしかったの?」と聞くと、「違う、量も足りないし、開け方も飲み口も微妙に違うから飲みにくかったんだよ!」と。一瞬ぐうの音も出ませんでした(笑)〔Kさん、子ども11歳、6歳〕
▽頭がよくなるのは形から!?
いきなり家にあった伊達メガネをかけはじめた小3息子。「目がいいのになんで」と聞くと、「パパもメガネだし(頭いいと思い込んでいる)、コナン(大好きな漫画のキャラクター)もかけてるし。たぶんかけると賢くなるよ」「形からっていうでしょ」だそうです。〔Fさん、子ども8歳〕
▽好きな子が紫好きだから
ことあるごとに紫色のグッズを集め始めた息子。「紫好きだっけ?」と聞いても、最初は濁していましたが、「紫のものない?」と聞かれたときに再度理由を聞いてみると…同じクラスの好きな子が紫色の服をよく着ているので、紫が好きだと推測。いつかその子に渡すために集めているそうです。恋だねえ…成就するといいね。〔Sさん、子ども9歳、6歳〕
中高生だってまだまだ可愛い理由で行動します!
中高生は考えや言動がだいぶ複雑になり、大人に近づいていきます。体も心もすっかり成長したなーと思う反面、「そんなことで泣く?」「なぜそんなことをする?」と笑ってしまうことも。中高生だけど、可愛いくてつい笑ってしまう理由とは。
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▽もう育毛剤!?
小さい頃から私と同じ美容院に行っている息子。担当の人に「お母さんと髪質似てるよね」と言われてから、突然私の女性用育毛剤を使い始めました。「育毛剤はちょっと早くない?」と言うと、「お母さん、髪の毛少ない方じゃん。髪質似てるって言われたし。おじいちゃん(私の父)もハゲてるし、今からやっとかないと」だそうです…。〔Nさん、子ども15歳〕
▽ベルトが入らなくなるから
特に運動部に入っているわけでも運動好きでもない高校生の息子は、毎日けっこうな時間筋トレをしています。女の子にモテたいのかな~なんて勘ぐりながら、「なんでそんなに頑張るの?」と聞くと…「太ったら、小さい頃から買い集めた仮面ライダーベルトが入らなくなるから」だそうです。なんちゅう理由だ…(苦笑)。〔Tさん、子ども17歳、14歳〕
▽今まで使ってた言葉をバカにされた!?
家では「おみそ汁」のことをずっと「おみおつけ」を呼んでいたのですが、中学の友達との会話の中で「おみおつけ」と言ったら、「なにそれーー!」「ウケるー!」と言われたそう。それをバカにされたと思い込んだのか(友達はバカにしたわけではないそう)、その日の帰宅後おみそ汁を飲みながら、急に泣き始めて…理由を聞いて笑いそうになりましたが、グッとこらえました。「二度と‟おみおつけ″って言わない」と言っていましたね。大学生になった今は、友達との間で可愛い笑い話になっているようです。〔Iさん、子ども20歳、17歳〕
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実はパパやママ自身も、親に「なんでそんなことすんの?」「あんた、なんで怒ってるの?」と思われていた時期があったのではないでしょうか。でもそれが今では笑い話となって、なんなら「あんなことあったねえ」という親子のコミュニケーションのひとつになっていることもあるかもしれませんね。