先輩ママたちが振り返る「ママ友」という存在 きっかけは義務感でも…「大人になってできる友達って素敵」

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「正直面倒くさいし、いらない」「同じクラスにいても絶対友達にならないタイプ」「関わりたくないけど、子どものために仕方なく」…。ママ友というワードで検索するとネガティブな内容の記事ばかり目にします。子どもを産む前からこういう記事を見ると、「私はママ友作らない」と自らバリアを張ってしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、先輩ママに聞いてみると、「ほとんどが疎遠になっているけど、気の合う人とは今も続いてる」「当時は煩わしさもあったけど、ありがたいと思う瞬間もあった」といった意見も聞かれます。子どもが高校生以上になり、すっかり手を離れたママたちに、「今だから思う、ママ友という存在について」リアルな声を聞いてみました。

出会いは「ママ友」だったけど

出会いは「ママ友」だったけど、その後何年もプライベートの付き合いが続いている人がいるというケースは少なくありません。なんなら学生時代の友達より仲良くしている、という方もいるようです。

   ◇   ◇

▽一人くらいは気の合う人がいるもの

正直、娘の保育園のママたちは、出会ったときから「合わないな~」と思っていました。自分のことは棚に上げて言っちゃうと、ものすごく高圧的な人、自分のことばっかり話す人、すぐつるむママたち、ヤンキーっぽい人などなど…「キャラ濃いな~」と、保護者会のたびに辟易していましたが、ある時役員をやる羽目に。そのとき一緒に役員をやった方が、すごくいい雰囲気で、価値観も似ている方でした。

妙につるみたがるママたちがランチ会やらイベントを企画しまくっていて、「またか…」と思うときも、「たまーに気が向いたとき顔出せばいいよね」と言い合うことで気が紛れたり。あ~こういう人が同じ学年に1人いるだけで救われるわ~と安心したのを覚えています。

今はほかの方とは一切疎遠で、名前すら思い出せませんが、役員を一緒にやったママとは子どもが高校生になった今でも、たまに「コストコ行くけど、何か買ってこようか?」と声を掛け合ったり、数カ月に1回ペースで会ったりしています。最初は「うわ~面倒くさい」と思っても、一人くらいは気が合う人が必ずいるはず!〔Hさん、子ども17歳〕

▽子ども以外の共通点を持つといいかも

自分で言うのもなんですが、私は「オタク」です。長男と一緒に見ていた戦隊モノがきっかけで、子どもが4歳で見なくなった後も、私だけ映画も見に行ったり、自分のためにフィギュアやおもちゃを買ったり(苦笑)。当時ほかのママと会話していても、「子どもが見るんだけど、私はサッパリ分からない」「おもちゃ買っても、増えるだけで邪魔」など吐き捨てるように言うので、私の趣味を言ったらドン引きされるよな~と…苦し紛れに「そうだよね~」と合わせていました。あるママに、つい「私自身が結構ハマってる」と言ったら、その後ちょっと変な人扱いされることもありましたね。

「話題といえば子どものことばっかりで、なんか面倒くさい」と心のバリアを張っていたら、戦隊モノの携帯ストラップをつけているママがいて、意気投合。そこから10年以上経ちますが、いまだに「ナントカくん(戦隊モノの出演者)カッコいいよね」「映画見に行っちゃう?」と盛り上がっています(それも変っちゃあ変ですが)。子ども以外の共通点があるだけで、会話も広がるし、いい関係になれたりするかもしれません。〔Tさん、子ども17歳、13歳〕

子どもが手を離れてから仲が深まった

いわゆる「ママ友」の関係のときは疎遠だったり、どちらかというと苦手なタイプだったのに、子どもが手を離れてから良き友達になった、というケースもあるようです。

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▽存在すら知らなかった…

子どもが小学校~中学校2年生までは、フルタイム勤務だったこともあり、とにかく学校関係のことから逃げまくっていました。なぜかフルタイムで働いている人が少なく、話の合う人いなそうだな、と勝手に壁を作っていました。

学区の関係で保育園が一緒だった子が誰もいない小学校に行ったので、保育園ママとはすぐに疎遠になったし、学童で知り合った何人かのママとは会ったとき少し話す程度。だれも連絡先を知らない状態でした(当時LINEなんてない時代)。「あ、これどうだったっけ」ということをほかのママに聞けないといったデメリットもあったし、ママ友つくらなきゃダメかな、と思う時期もありました。

子どもが中3のとき、ついに逃げられない状態になり、PTAの役員をやることになりました。ほかのママたち同士はほとんど知り合いで、私一人ポツン状態。そんな中でもう一人ポツン状態の方がいて、役員をやっている間は特に仲良くはありませんでしたが、子どもが高校2年の頃、道端でばったり会って長々話したのがきっかけで、頻繁に連絡を取り合うようになりました。

子どもが小さいときはママ友なんていらないという気持ちでしたが、こういう出会いもあるんだな、大人になってできる友達もいいもんだな、と思っています。〔Yさん、子ども19歳〕

▽第1子のときはママ友づくりに必死だった

1人目のときは、ママ友づくりに必死になっていた気がします。入園前の児童館時代、入園後、小学校入学してすぐ(同じクラスや学童)、自分から声をかけたり、週末一緒に遊んだり。でも楽しいというより、正直面倒い・疲れるという気持ちのほうが大きかったかも。まあとにかく「子どものため」、ただそれだけでした。そんな中、いつも一人でポツンとしているママがいました。「声をかけないで」オーラがにじみ出ているというか。正直、「なんだあの人」と思っていましたが、数年後病院に行ったら、そのママが受付をしていたんです。その再会がきっかけで、仲が深まりました。

そのママが人見知りだったこと、「ママ友はしょせんママ友で終わる」と割り切っていたことも判明。再会した状況が「ママ友」というより、「以前の顔見知り」という感じだったのも仲が深まった理由かもしれません。ほかのママとは卒園後ぜんぜん連絡も取っていないし、第2子以降は、ママ友づくりは自然に任せています。ちなみに第3子のママ友はゼロ。そんなもんです(笑)。〔Fさん、子ども17歳、14歳、8歳〕

トラブルママとも気づけば疎遠に、楽になった

面倒なママ友がいたけれど、気づけば徐々に疎遠になり、時間の経過とともにスッキリ楽になってた!というケースもあるようです。

   ◇   ◇

▽卒園後は連絡を取らずにそのまま

最初に仲良くなったママが、なんでもかんでもすぐ文句を言う、事を大きくする方でした。保育園のことについて「ねえ、これどう思う?」と聞かれて、やんわり同調したりすると、「Bさん(私)もそう言ってましたよ!」と話を大袈裟にして園に伝え、すぐ巻き込む…。一時期は私まで園から問題視されたこともありました。

「大丈夫?」「無視すればいいじゃん」と味方してくれるママもいましたが、なかなか無視できなくて。大袈裟ですが、DV夫から逃れられない妻、に似た状況だったんでしょうね(苦笑)。でもだんだん園も状況が分かってきたようで、そのママを問題視しつつ、うまく対応してくれて、巻き込まれることもなくなっていきました。そのママも文句を言いたかっただけのようで、私にも言ってこなくなりました。卒園後は、まったく連絡を取っていません。風の噂で、小学校や中学校でもトラブルメーカーだったと聞きました。渦中にいるときは悩んだり辛かった時期もありましたが、「変な人は変な人でしかない、巻き込まれてもいつか疎遠になる」んです。あのときの自分に言ってあげたい(笑)。〔Sさん、子ども16歳、13歳〕

▽時期が来ればスッキリ抜けられる!

保育園のクラスでグループLINEがありました。中心的なママがいて、事あるごとに何かしらの連絡が来る。そこからほかのママの返信の応酬の嵐が始まり、毎回「またか…」とうんざりしていました。おまけに、中心的ママがある宗教に心酔していて、宗教がらみのイベントに誘うわ、選挙のたびにお願いしてくるわで、本当に勘弁して、という感じでした。在園中はのらりくらりとかわしましたが、かわすのも超ストレスでした。子どもがらみだから無下に断るのもなんか怖かったし、ほかのママたちもブチブチ言いながらもうまく付き合っている状態でした。

でも、幸い子どもが行く小学校に同じ保育園の子が一人もいなくて、息子もすぐ新しい友達ができたので、もういいかな~と思い、LINEグループを退会しました。退会した時のスッキリ感は、いまだに忘れられませんね(笑)。そのママは、いまだに飲み会やら同窓会やら企画しているようですが、知ったこっちゃない。保育園のときのママ友は、記憶のかなただし、新しい出会いがどんどんあるし、気づけば自分も強くなっていくものです。〔Uさん、子ども15歳〕

   ◇   ◇

「ママ友」の定義なんてありません。こういう関係であるべき、この程度の距離感を保つべき、というルールもありません。しいて言うなら、「子どもを介して知り合った人」。とはいえ、「ママ友関係がこじれたら子どもにも影響するんじゃないか」「ハブにされたらキツい」などの心理が働いてしまうことも確かにあります。でも、やっぱり「しょせんママ友、されどママ友」なんです。辛いと感じたら、「しょせん」の気持ちで過ごせばいいのです。時期が来れば関係もスッキリしていくもの!

「あ~この人とたくさん話したい」「ママとしてじゃなくても、友達になりたい」そう思えるなら、「されどママ友」。関係性を大切にしていけばいいと思うのです。構えず、気張らずいきましょう。今ママ友関係で悩みを持っているママや、「ママ友って面倒くさい存在なのかな、嫌だな~」と先入観を持ってしまっている人の心が、少しでも軽くなることを願っています。

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