日常生活でちょっとした料理をする際に役立つのが小型のフライパンや片手鍋。そうしたフライパンや片手鍋について、国民生活センターが取り扱いに注意するよう求めています。これらは身近な調理器具ですが、どういうところで何を注意すればよいのでしょうか。国民生活センターに聞きました。
国民生活センターによると、消費生活に関する相談情報を蓄積するPIO―NET(パイオネット、全国消費生活情報ネットワーク)には小型のフライパンや片手鍋に関する危険な事例が、2016年度以降の5年で129件寄せられました。
事例の中には「フライパンの安定が悪く、こんろの五徳に載せると傾く。揚げ物をしていて油がかかりやけどを負った」「取っ手が着脱式のフライパンを購入した。取っ手の樹脂部が熱で劣化し緩んできて危ない」などの相談があったそうです。
そこで国民生活センターは、センター周辺にあるホームセンターに出向き、市販されている直径20センチと24センチのフライパンを購入し、テストしたそうです。
すると、直径20センチのフライパンの場合、ガスこんろに設置され、上に突き出している過熱防止装置が鍋底を押し上げてバランスを崩すことがあったそうです。
さらに、センターはどれくらいの重さの食材をフライパンに入れると傾かなくなるかも調べたそうです。
ガスこんろ上にどのようにフライパンが載せられているかにもよりますが、ガスこんろの五徳中央から右に3センチずれた状態でフライパンが載せられていると、120グラムの重さになってはじめて傾かなくなったそうです。
またフライパンの中には、取っ手部分に水抜き穴が設けられている商品もあります。水抜き穴から取っ手内部に侵入した水が取っ手のねじを腐食させる可能性があることが分かったそうです。
このほかにもガスこんろの火が強いと樹脂製の取っ手が耐熱温度を超えることがあったそうです。
国民生活センターは消費者へのアドバイスとして、▽過熱防止装置の影響で傾くことがあるので取っ手を持ちながら調理する▽洗った後は十分に水を切りましょう▽火力や五徳に載せる位置に注意しましょう-と呼び掛けています。
日常的に使う調理器具だけに普段から気を付けたいですね。