京都の山奥にある古き良きイギリス おとぎの村の住人は5匹の猫と砂糖使いマリー

山中 羊子s 山中 羊子s

 自然豊かな京都府亀岡市に、古き良きイギリスの田舎をそっくりそのまま再現した村がある。「ドゥリムトン村」と名づけられ、広さは約1ヘクタール。敷地内にはレストラン、宿泊施設、チャペルもあり「まるでおとぎ話の世界に迷い込んだみたい」と好評です。人気の秘密はオーナーのマリーさん(本名・春山眞由美)の”英国愛”にありました。

アンティークの看板や道ばたの自転車、村全体がのどかで小さな夢の国

 日本ではようやく落ち着きを取り戻しつつありますが、コロナは世界のどこかで今も猛威をふるっています。安心して海外旅行を楽しめるにはもう少し時間がかかりそう。ああ、早く外国に行きたい!そんな願いを叶えてくれるのが京都府の山奥に佇む「ドゥリムトン村」です。

 場所は大阪と京都の市街からどちらも車で1時間余り。くねくねした山道の脇にこつ然と現れる集落は人影もまばらで、つい日本にいることを忘れてしまいそうな隠れ家的スポットです。

 一歩足を踏み入れると、そこはもうイギリスの田舎町。「ピーターラビット」や「ハリー・ポッター」といった映画や絵本でみるような牧歌的で幻想的な世界が広がっており、訪れた人は「まるでおとぎ話の世界に迷い込んだみたい」「不思議と落ち着き、癒される」「何度訪れても飽きない」と感激の様子でした。コロナ禍でも密かに人気を集めているのもうなづけます。

テーマパークでも遊園地でもない、ありのままのイギリスの田舎を再現

 村名の「ドゥリムトン」とは、ドリームとタウンを合わせた造語で、この村の創設者、マリーさんが名づけたもの。今から10数年前、ヨーロッパの集落を再現しようと場所探しをしていたとき、この土地を初めて見て「ここはイギリスだわ」とマリーさんは感じました。

 そこで「テーマパークでも遊園地でもない、本格的な生活感に満ちたイギリスの田舎の村を作ろう」と決意します。建物も景色も料理もマリーさんが実際にイギリスで見たまま、感じたこと、味わったものをそっくりそのまま再現したそうです。敷地面積は約1ヘクタール。村の中央には池があり、遊びにやって来た水鳥を眺めると、のどかな雰囲気を一段と盛り上げてくれます。

フィッシュアンドチップスとアフタヌーンティー、英国料理ってこんなにおいしいの?

 オススメはやはりティールーム&レストラン「ポントオーク」で手作りされるフィッシュアンドチップスとクリームティーセットでしょうか。イギリスと言えば、やはりフィッシュアンドチップス。衣が決め手のフリット、外はカリッ、内側は卵白をしっかり泡立てふわっふわ。昔なつかしい揚げパンの風味と淡い塩味のタラとのコンビネーションは格別です。たっぷりのフライドポテトとバケットにカップティーが付いて2200円(税込)は、おトクです。

 紅茶の国イギリスで外せないのがスコーンでしょう。こちらは外はパリッとし、中はふかふかしっとり。スコーンがこんなに軽くてさわやかだったとは…。しかも焼きたて、初めての食感。幸せです。

 さっぱり味のクリームにたっぷり甘いマーマレイドもマリーさん手作りです。「イギリスの田舎でいただいたマーマレイドがおいしくて。ここでは私、“砂糖使いマリー”って呼ばれているのよ」とノリノリ笑顔で話してくれました。

ショッピングも宿泊もできる森の隠れ家「ドゥリムトン」

 ここにいると、空も森も日本なのに、おとぎ話に出てくるイギリスの田舎に迷い込んだ気分になるから不思議です。村にはレストランの他、アンティークショップ、B&B(宿泊施設)があり、ウエディングも行えます。

 「マリーばあさんが作った村だなあと、未来の人が思ってくれたら幸せです」

 5匹の猫が迎えてくれる夢見心地の小さな世界。どこか妖精がいるような気分にしてくれます。それがドゥリムトン村。ここには、古さを守り抜くマリーさんのスピリッツが、しっかりと息づいています。

◇「ドゥリムトン村」
京都府亀岡市西別院町柚原水汲12
電話・FAX 0771(27)3004
営業時間月曜日~金曜日 11:00~16:00(14:00LO.)、ドリンクオーダーは15:00LO.、 土日祝10:30~20:00(19:00LO.)

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