猫を引き取り間もなく妊娠、子猫が4匹生まれて8匹の大家族に 協力し子育てする様子に感動

渡辺 陽 渡辺 陽

まさかの妊娠が発覚

佐賀県に住む大久保さんは2匹の猫を飼っていたが、2020年9月、知人のところで生まれた2匹の子猫を引き取った。

2匹しか飼うつもりはなかったが、モナくんとこつぶちゃんは先住猫にそっくりで、放っておけなかったという。計4匹の猫を飼うことになった。

モナくんの去勢手術を控えた1週間ほど前、こつぶちゃんが発情した。すぐに気付いてこつぶちゃんだけ隔離したものの、猫の妊娠率はほぼ100%。ハラハラしつつ経過を見ていると身体にはっきりと変化が現れ、やはり妊娠しているようだった。

「動物病院へ連れて行きエコーで見てもらうと、そこにははっきりと子猫の影がありました。先生からどうするか聞かれたのですが、授かった子は産ませたいと言いました」

先住猫も家族みんなで子育て

モナくんの去勢直前だったので、獣医師さんが「最後に素敵な贈り物を残してくれたね」って言ってくれたのだが、大久保さんは「素敵な言葉だな」と思った。

2021年5月11日の夜中1時44分から出産が始まり、40分ほどで4匹が元気に産まれた。赤ちゃん猫たちは産まれてすぐにママのお乳を探し始め、こつぶママも4匹全員がきちんと飲めるように体制を変えたり、うまく体温調整ができない赤ちゃん猫たちの身体が冷えないようにずっとくっついて温めていた。

「こまめにお乳を飲ませ、排泄のお手伝いをして毎日毎日一生懸命に子育てしている姿を見てとても感動しました」

他の猫たちも産まれたての子猫にそっと近づき、一緒に排泄の手伝いをするためになめてあげていて、大久保さんは「猫の子育てはこんなにも協力的なんだ」と思った。

こつぶちゃんは初めての子育てに戸惑っているような時もあったが、ある程度慣れてくると授乳の時もすごく大胆に。仰向けに寝転がりおっ広げな姿で大胆に授乳をした。

「大きく育ってきた今は、子離れ真っ最中でこつぶママは自立させようと必死ですが、子猫はもう少し甘えたいようで、ゆっくり自分たちのペースで育つといいなと思っています」

個性豊かな子猫たち

マルちゃん(メス)、こじろうくん、山田くん、吉田くん(オス)は生後5カ月になった。こじろうくんは、ひっそりと静かな子で一人遊びが得意。飽きることなく同じおもちゃでずっと遊んでいる。ただ、お腹が空いた時だけは、ごはんをあげるまでニャーニャーと催促し続ける。襖の壁紙を破るのにハマっていてとても困っているという。

マルちゃんは、あざと可愛い女子。いつも困り顔で、上目遣い。とても甘え上手で皆から可愛がられている。4兄妹で1匹だけフワモコ毛質。靴下が大好きで、洗濯物の中から見付け出しては咥えて振り回している。

山田くんは好奇心旺盛。お客さんが来ると、他の子猫はこつぶママと一緒に隠れるが、山田くんだけは気になるようで、そっと遠目に見にきて、大丈夫だと判断したら近づいてくる。4兄妹の中で1番しっかりもので、身体も1番大きく長男的存在だ。

吉田くんは元気いっぱいでママが大好き。1番のマザコンで、こつぶママが親離れさせるのに一番手こずっている子だという。いつもママのお乳を求めてついて回り、「もうおしまいよ」とママに叱られても気にも止めずに求めに行く。ビビリで小心者なので家族以外の人には懐かない。

猫がくれた優しさや気づき

最初は2匹だけ飼うつもりだったが、素敵なハプニングが起こって8匹家族になり、大久保家は毎日賑やかだという。

「朝から大運動会が始まり、どんちゃん騒ぎです。ただ猫は1日の大半は寝ているのでその大運動会も微笑ましいし、寝ている姿や、気持ちよさそうな表情に癒されまくりです。8匹もいて大変じゃない?とよく聞かれますが、大変と思ったことは全くありません。8匹みんなが本当の家族のように仲良くて、先住猫が率先して子猫を可愛がり、絆を深めてくれているからだと思っています」

犬派だった大久保さんは、猫は気まぐれで自分の勝手のいい時にしか寄ってこないと思っていた。しかし、実際に飼ってみると全然違っていたという。

「猫の性格にもよるかと思いますが、仕事が終わり、疲れて家に帰って来るとみんなでお出迎えしてくれて、スリスリしてくれるのが本当に可愛くて毎日頑張れます」

お風呂上がりにドアの前で並んで待っていたり、甘えたいと素直に伝えてくれたり、朝起こしに来てくれる姿がとても健気で、みんなに優しく協力して生きていくべきだと気付かされたという。

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