ハロウィンの10月31日、鹿児島市で披露された狐の嫁入り行列がSNSで話題になっています。鈴を鳴らしながら、狐のお面に黒留袖姿の一行が静々と歩く動画がTwitterに投稿されると、 「粋ですねぇ」「コレこそ伝統的な日本の仮装」「椎名林檎感ある」と好評を博し、250万回以上再生されました。英語や中国語でも「wow」などとリプライが寄せられ、海外にも反響が広がっています。狐のお面を作り、嫁入り行列を企画したお面作家の幻空堂(げんくうどう)さんに話を聞きました。
ハロウィン、日本らしく表現したかった
ーーどこで行われたんですか?
「鹿児島市の天文館という繁華街です。狐の嫁入りは2017年から始めて、2020年はコロナで中止したので今年が4回目でした」
ーー狐の嫁入りをハロウィンで行ったきっかけを教えてください。
「ハロウィンの本来の意味である魔除けを、日本らしく表現できたらと思いました。また、お客さんから『狐のお面をなかなか着ける機会がない』と聞き、イベントを企画しました」
「10月31日には時間帯を分けて2度行い、1回目が17人、2回目が15人でした。10代から60代まで幅広く参加してもらい、鹿児島在住の人が大半でした。募集はSNSやチラシを施設に置いてもらったりしました。ドレスコードは幻空堂の狐面と黒留袖です」
ーー観衆の反応はいかがでしたか?
「実際の観衆の皆様においては、狐の手つきをして挨拶してくださる方や歓声をあげてくださる方、写真やムービーを撮ってくださる方が多くいた様に感じました」
ーー反響が国内外に広がっています。
「インターネット上でも比較的好意的に捉えてくださる方が多い様に感じ、とてもうれしく思っています。これまで開催した際はいいねが1000もつかないくらいだったので、ちょっと怖いくらいです(笑)。何が起こるか分かりませんね」
ネットの反響でお面の注文増
ーー幻空堂さんはいつからお面作家として活動していますか。また、狐面は買えるのでしょうか?
「活動は2017年1月からはじめています。お面自体は2016年から作っています。問屋さんから仕入れた素体のお面に手描きで絵付けを行い江戸打ちひもや鈴をつけています。販売サイトはminneを利用させていただいていて、販売価格はminneですと鈴なしの狐面が1200円、鈴ありの狐面が1600円となっております」
「絵付けは一つ1時間くらいかかりますが、若い人が手に取りやすいような価格にしています。おかげさまでネットの反響もあり、結構注文が来て、ありがたいです」
ーーネットの反響からイベントのお呼びがかかることもあるのでは?
「現在1件のお問い合わせを頂いておりますが、まだ今後は自主イベントしか予定しておりません。お声掛けがありましたら誠意対応していきたいと思っておりますので是非お気軽にお問合せしてください。今後は行政を含めた様々な業種の方とお仕事をできたらと思っております」
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ハロウィンと言えば、都心での狂騒を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、提灯を手に、静かに練り歩く狐の嫁入りには、「ただ騒ぐとかじゃない見せ方が好き」「こういうハロウィンは素敵だわ」と好意的な意見が寄せられました。次のお披露目の機会が楽しみです。