「電車売ります!」模型ではありません、本物の車両販売は初 東急・8500系車両をわが家に!?

中将 タカノリ 中将 タカノリ

1975年の導入以来、東急電鉄田園都市線を中心に運行してきた8500系車両。新たな2020系車両の導入に伴い順次廃車が進んでいるのだが、10月1日、東急電鉄はその8500系車両を一般向けに販売することを発表した。

販売価格は一両丸ごとで176万円。先頭部分をカットしたもので2420万円

販売情報は現在、インターネット上や東急の各駅で紹介されている。中でも池上線の某駅に「電車売ります!」と書かれたホワイトボードが設置されている模様をおさめた合唱指揮者、宇田川吾郎さんのSNS投稿は大きな話題となった。

鉄道ファンにとって長年乗車し、追いかけてきた車両を丸ごと手に入れることは大きな憧れ。宇田川さんの投稿には

「一両買ってどこかで保存したい。
土地も金もないのでできませんが。」

「兄が、東急の現役運転士なので、
兄が冬のボーナスが出たら、買ってしまわないか内心、心配しています。
1両を手にするのは本人の夢だったと思うけど、買われても困ります。
家には電車グッヅの塊がゴロゴロしてます。これ以上は、、、」

「広めの庭があれば電車置いて自分専用の大人の秘密基地みたいなのやりたかったな…」

など数々のコメントが寄せられている。

宇田川さんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):このホワイトボードをご覧になった際のご感想をお聞かせください。

宇田川:最初は電車遅延や工事案内と思ったので、全く違う内容であったことに驚きました。

中将:SNS上で大きな反響がありましたね。

宇田川:予想以上の反響の大きさに驚いています。「電車を買ってみたい」という夢を持っている人が多いことや、販売価格が意外と手が届きそうな価格であったことが多くの共感を生んだ要因なのだと思います。

 ◇ ◇

今回の8500系車両の販売について東急電鉄にもお話をうかがってみた。

中将:これまでにも一般向けに車両を販売されたことがあったのでしょうか?

担当者:東急電鉄として、一般向けに車両1両を販売するのは初めてです。

中将:ホームページ上の案内では「購入にあたり様々な制約」とありますが、どのようなものでしょうか?

担当者:当社内で審査の上、車両を適切に保存していただくことが可能と判断できる方への販売とさせていただきます。設置場所の条件としては重量を支えられる場所等であること、および腐食・朽ち果て等の可能性が低いこと、並びに陸送により搬入、降ろし作業が可能な場所等の制限がございます。

中将:「こんな方に買ってもらいたい」というような思いがあればお聞かせください。

担当者:ローレル賞に輝いた8500系車両に対して親しみ、愛着をお持ちいただいているお客さまにお譲りすることで、同車全車両が現役を引退した後も在りし日の8500系や同車現役当時の東急線沿線の情景を回想し、お客さまやご覧になられた方ご自身の思い出の回想を長期間にわたり体感することができればとの思いです。

中将:発表以降の反響はいかがでしょうか?

担当者:10月14日現在、お問い合わせ含めて、車両1両全体については4件、 車両一部分カットに2件、運転台に9件のご連絡を頂いております。

 ◇ ◇

例が無いわけではないが、車両を丸ごと入手できる機会はそうそう多くない。しかも東急電鉄が一般向けに車両を販売するのはこれが初めて。ご興味ある方はぜひ東急電鉄がインターネット上に公開している案内ページ「田園都市線8500系車両の特別販売を行います」をご覧になっていただきたい。

宇田川吾郎さん 関連情報
10月30日に東急線沿線の大田区民プラザでコンサート「言の葉とめぐる旅2021」を開催予定。Web配信も。
Twitterアカウント:https://twitter.com/56udagawa
言の葉とめぐる旅2021:http://gnosina.sakura.ne.jp/wp/kotonoha

 ◇ ◇

東急電鉄株式会社 関連情報
公式サイト:https://tokyu.com
「田園都市線8500系車両の特別販売を行います」:https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/211001_8500.pdf

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