中間管理職は「部下と上司を持つ管理職」で、部下を指揮しつつ、自分自身も上位管理職の指揮下にあるビジネスパーソンのことをいいます。具体的な役職名は企業により違いますが、一般的に「課長」「係長」などが中間管理職にあたるでしょう。よく「中間管理職はツライ」と聞きますが、具体的にはどのようなツラさがあるのでしょうか。中間管理職の経験者に聞いた調査によると、「板挟みになるとき」がツライと思う瞬間1位となりました。なお、「自分は中間管理職に向いていない」と思う人は64.7%、その一方で悩みの相談相手が「いない」という人が35.3%いたそうです。
株式会社ビズヒッツが238人(男性177人/女性61人)を対象に行った調査です。
「中間管理職がツライと感じる瞬間」について、回答をランキングにまとめると、「板挟みになるとき」がダントツの1位だったほか、「部下を指導するとき」「仕事が多岐にわたるとき」「責任を取らされるとき」「納得できない指示を部下に伝えるとき」などの回答が続きました。それぞれの具体的な回答は以下の通りです。
【1位 板挟みになるとき】
・春から初めて中間管理職に就きました。上からの意見と下からの意見の板挟みで、間を取り持つのが大変だと感じています(30代女性)
・上司の理不尽な指示と部下からの不満で板挟みになることが多く、ストレスが溜まりやすい(40代男性)
・部下の気持ちもわかるが、上司の意図や気持ちもわかるので、板挟みになることがツライです(50代女性)
【2位 部下を指導するとき】
・部下に指示をするとき(30代男性)
・部下が私の指導方針に従ってくれないとき(40代男性)
・部下がなかなか成果を上げられないこと(50代女性)
【3位 仕事が多岐にわたるとき】
・上司からと部下から仕事が来るので、やらないといけない仕事量が多くて辛くなる(30代男性)
・マネジメントだけでなく、自分も現場にでる必要がある(40代男性)
・プレイイングマネージャーとして実務をこなす一方で、管理職としてイレギュラーな案件や調整業務に時間を取られてしまうとき(50代女性)
【4位 責任を取らされるとき】
・部下は守ってあげたいと思っているので、部下のミスは私の指示不足によるものだと報告しています(30代男性)
・部下がミスをしても、私の責任にされる(40代女性)
・間違いをただしても素直に聞こうという姿勢が見られない部下がいます。その部下が起こしたミスの責任を負わなければいけないのかと思うとツライ(50代男性)
【同率4位 納得できない指示を部下に伝えるとき】
・上から言われた内容が納得できないものでも、そのまま下に伝えないといけないところ(20代男性)
・会社側の言い分に納得できなくても、スタッフに納得してもらえるよう説明しなければならないときにとてもストレスを感じました(40代女性)
・間違っているとわかっていても、社長のやり方に従わないといけないときがツライです(50代男性)
中間管理職「向いていない」と考えている人のほうが多く
また、「自分が中間管理職に向いていると思いますか」と聞いたところ、「全く向いていない」「あまり向いていない」と回答した人が合わせて64.7%となり、「向いていない」と考えている人のほうが多くなったそうです。それぞれの具体的な回答は以下の通りです。
【向いている人の理由】
・人のマネジメントをするのが苦ではないため(20代女性)
・ある程度の文句なら受け流せるから(30代女性)
・自分の考えをあまり持たず、調整役に徹することができるから(40代男性)
【向いていない人の理由】
・上から言われた内容が納得でいないものであったとき、部下にそれを伝えるのがすごく心苦しく感じるため(20代男性)
・自分で黙々と作業するのが好きであり、他者の事を管理するスキルに欠けていると思うから(30代男性)
・性格的な問題。他人から嫌われると非常に落ち込むので、立場が違う複数人の意見を調整する中で、希望に添えないこの立場は辛い(40代女性)
一方で、「仕事の悩みを相談する相手」を聞いたところ、「家族」「友人・恋人」といった回答があったものの、1位は「相談する相手がいない」という結果に。調査した会社は「ひとりで悩みを抱えている中間管理職が多いとわかりました」としています。