「何回も遊べるバンクシー作った」と、ツイッターに動画を投稿したゆうもやさん(@takex5g)。
壁にかけられたバンクシーの「少女と風船」風の絵画の前、オークションで使うようなハンマーでリモコンを叩くと、額縁に設置されたシュレッダーが作動し、絵画がどんどん細切り状態になっていきます。
そして裁断が止まると、今度はハンマーでリモコンを逆側から叩きます。すると、細切りになった絵画が額縁の中にするすると戻り、最後はすっかり元通りに。
つまりこれは、細切り⇄元通りを何回でも繰り返して遊べる、「無限バンクシー」装置!
元ネタは、2018年に世間を騒がせたバンクシーのオークション騒動。絵画「少女と風船」が超高額で落札された直後、バンクシー側の仕掛けで絵画はシュレッダーにかけられ、細切り状態に。
その際、本来すべて裁断される予定が、シュレッダーの故障で下半分しか裁断されませんでしたが、ゆうもやさん作『何回も遊べるバンクシー』も元ネタと同じく、裁断は途中で終了。
そんなところまで再現された『何回も遊べるバンクシー』に、「これ欲しい!」「無限バンクシー流行るかも」と、絶賛のリプライが寄せられました。
「時を戻そう」
「スイッチがオークションハンマーなのが最高w」
「切れたのに切れてない」
「いい意味の、無駄な技術(笑)」
「バンクシーから注文入らないかな」
無限に遊べるバンクシーを制作したのは、ソフトウェアとハードウェアの両面で面白い作品を制作している大学生、「ゆるふわものづくりエンジニア」こと、ゆうもやさん。
『何回も遊べるバンクシー』以外にも、『押しボタンを押すためのボタン』や、永遠に単語が流れ続けるサイト『Word Cascade』など、数々のユニークなアート作品を制作しています。
そんなゆうもやさんに、例のオークションの衝撃が無限に楽しめる作品『何回も遊べるバンクシー』について、お話を伺いました。
ーーそもそもなぜ、『何回も遊べるバンクシー』を制作しようと?
「3年前にバンクシーの絵画裁断をテレビのニュースで見た時に衝撃を受けました。当時からずっと、”この装置を再現してみたい!”という気持ちがあり、やっと作った感じです」
ーーやはりバンクシーの作品や活動には注目を?
「バンクシーは発想とユーモアセンスに優れており、僕は好きです。新しい作品は必ずチェックします」
ーー無限に裁断、復活が楽しめるのも、スイッチがオークションハンマー風なのも最高ですね。発想のもとになったものや、制作の際に工夫されたことを教えてください。
「オークションハンマーを叩くと作動する、という仕組みを採用したのは、”面白そうだったから”です(笑)。絵画裁断を再現するにあたって、裁断という工程は、想像以上に難しいものでした。そこで、裁断しない手法について検討しました。その時に思い出したのが、子供の頃にハマっていたマジック道具でした。紙がお札に変わる古典マジックで、今回の装置に採用しました」
ーー「これ欲しい!」というリプライもありましたが、商品化の予定は?
「個人製作のため、商品化の予定はございません」
ーーもしバンクシー側からオーダーが入った場合は…?
「バンクシーからオーダーが入ったり、高額で買い取ってくれる方から連絡が来たら超嬉しいですね。ぜひそうなって欲しいです(笑)」
◇ ◇
ゆうもやさんは、『何回も遊べるバンクシー』の仕組みについて、「ローラーを回転させて、未裁断、裁断済の紙を同時に巻き取り、送り出しています」「裏面は制御マイコンとモーター、センサー類が載っています。部品の多くは3Dプリンタで印刷しました」と、詳細をツイッターで公開しています。
名前の通り、数々のユーモアあふれる作品を生み出し続ける、ゆうもやさん。これからも引き続き注目したい、新世代のクリエイターです。