ゴリラが主役、話題の「バナナジュース専門店」が立ち飲みスタート、大学生が経営

京都新聞社 京都新聞社

 現役男子大学生が経営するバナナジュースの専門店が、SNS上で話題だ。随所にちりばめたユニークなアイデアが注目を集めており、多い日は1日200杯を売り上げる人気店になっている。

 「ゴリラによる人間のためのバナナジュース」(京都市中京区)は、自身が「ゴリラに似ている」と言われるという同志社大の学生(休学中)の𠮷岡嶺さん(22)が昨年8月に開業した。

 かねてから起業に興味があった𠮷岡さん。新型コロナ禍で家にいることが増え、自分の将来に向き合う中、行動に移す決意を固めていった。菓子作りや料理が好きなことから飲食店を思い立ち、老若男女問わず親しみやすいバナナジュースの販売を決めた。

 さまざまな店のバナナジュースを飲み比べるうち、ぬるくなると飲みにくくなったり、途中で飽きてしまったりすることに気づいた。バナナの産地や種類、牛乳とのバランスなどを変えて100回ほど試作し、濃厚さを感じつつも、飲みやすいバナナジュースに仕上げた。

 開業資金は、自身の貯金やクラウドファンディングの支援金でまかなった。大学の友人たちに内装工事を手伝ってもらい、壁紙を貼ったり、インテリアのバナナに色を塗ったりしてオープンを目指したという。

 入店すると「うほ」とゴリラの声のような音が鳴る仕掛けをしたり、額に入れたゴリラの画像を「歴代の店長」という設定で店内にずらりと並べたりと細部にも工夫を凝らし、楽しい雰囲気を演出した。

 店は若者だけでなく、中高年夫婦や子ども連れなど幅広い世代の人々が訪れ、中には40回以上、来店しているリピーターもいるという。

 今年3月には、同じ店舗で立ち飲み居酒屋「ゴリラによる人間のためのサワー」の営業も始めた。勘定は「ゴリラドル」と呼ばれるゴリラの人形に換金して支払う趣向で、フルーツチューハイの場合は1杯につきゴリラドル2体が必要という。

 𠮷岡さんは「皆さんの思い出づくりの手助けができたら。ゴリラ好きの人たちが集う『ゴリラ好きの聖地』を目指したい」と話す。

 バナナジュース専門店は、午前11時~午後5時(売り切れ次第終了)。不定休。立ち飲み居酒屋は午後5時半~10時(9月末まで休業)。火曜、日曜定休。

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