今年3月23日、北海道旭川市内に住む当時14歳の中学2年生だった廣瀬爽彩(さあや)さんが同市内の永山中央公園で凍死した姿で発見され、2年以上前から凄惨なイジメにあっていたことが報じられた。3度にわたり現地を取材した元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は14日、当サイトに対し、改めて「イジメではなく犯罪」と指摘。警察の動きが表面化していなくても「捜査をやっていないわけではない」と補足した。また、テレビの地上波番組でこの問題の詳細を伝えたことによって「初めて知った」という反応が多かったことを明かした。
自身のYouTubeチャンネル「小川泰平の事件考察室」などで取材の報告を配信し続けている同氏だが、12日に放送された読売テレビ「そこまで言って委員会NP」にゲスト出演してこの問題を伝えたところ、「知らなかった」という反響が多く、「ネット社会では注目されても、まだ世間では知られていない」問題であることを痛感したという。
小川氏は番組内で問題の経緯を伝えた上で、「自分のクラス、学校からイジメが出たと分かると担任教諭や管理職の校長や教頭にとってマイナス。校長は次の職場に就職する際にワンランク、ツーランク下がったものになると考えている」と、教師側の保身がこの問題にフタをしている現状を指摘した。
さらに、同氏は「テレビではとても言えない不適切な動画があった」こと、「加害者側の子どもたちから『死ねば、その動画を消してあげる』『どうせ死ねない』などと言われた女子中学生が『飛べ、飛べ』コールをされる中で川に飛び込んだなどと言われている」と、その状況を説明。「川に飛び込ませたことは殺人未遂に当たる可能性もある」と強調した。共演者からは初めて知ったかのような驚きの声も聞こえた。
一方で、同氏は「(凍死について)自殺であったと、道警が公式に発表はしていない。初動捜査のミスは否めないが、捜査をやっていないわけではない」と付け加え、真相の解明には時間を要することを示唆した。
小川氏は当サイトに対して「テレビの地上波では、8月18日の遺族代理人による会見の時にワイドショー等で少し伝えられまたが、具体的な内容をしっかり話したのは今回が初めて。不適切な動画など地上波で話せる内容ではないこともありますが、今回は、校長が亡くなった女子中学生の名字を私がインターホン越しに伝えても最初は分からず、説明して『あー、亡くなった子ですか』と他人ごとのような反応をしたことや、教頭による『被害者1人の未来より加害者10人の未来の方が大切』という内容のコメントを伝えることができた。そのことを知らなかった人がスタジオの出演者でも多かったですし、ましてネットを頻繁に見ない人たちの間ではほとんど知られていないのだと実感できた」と語った。
同氏は「旭川の事件について話した時間は10分ちょっとでしたが、番組出演後に『そんなことがあったとは知らなかった』『テレビを観て初めて知った』という反応が私に多く寄せられています。SNSをはじめネット社会でではこの事件への関心も高く、多くの方が書き込みをされていますが、実際には、まだまだ知られていなかったのだということを痛感しました。今回の番組をきっかけに少しでも関心を持つ人が増えて欲しい。今後も取材を続けていきます」と言葉に力を込めた。