銅メダルの銅は「Copper」?「Bronze」? 実は東京2020では「丹銅」が採用されていました

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

 オリンピック・パラリンピックが終わりました。振り返ってみれば、日本は史上最多のメダル獲得数で、なかなかの盛り上がりでした。ところで金メダル・銀メダル・銅メダルをそれぞれ英語で言えますか?金はゴールド、銀はシルバー、銅はブロンズです。でも学生時代、銅はCopperと習ったはずですよね。しかし銅メダルは「Copper medal」とは呼びません。

 CopperとBronzeはどう違うのでしょう。正確にはCopperは銅、Bronzeは青銅です。銅は非常に柔らかい金属で、実際の工業品にはスズや鉛の合金である青銅が用いられます。銅像も実は青銅でできているのでブロンズ像と呼ばれるのです。英語では銅と青銅を区別していますが、日本語では全て銅です。

 オリンピックの規定で、銅メダルは青銅もしくは丹銅製と決まっています。青銅と丹銅はどちらも主成分は銅ですが、スズを混ぜると青銅、亜鉛を混ぜたら丹銅になります。青銅は文字通り青みをおびており、丹銅は赤みの強い銅です。2020年東京オリンピックの銅メダルには、丹銅が採用されています。

 ちなみに金メダルですが、実は92・5%以上の純銀の上に金箔を貼ること、と規定されています。そして、夏季大会では、表に勝利の女神であるニケ(Nike)、裏には競技の名前と大会エンブレムを入れること。と決められています。

 オリンピックの開催には莫大な費用がかかりますが、開催国は必ずしも先進国とは限りません。1位が銀の金メッキであることは、開催国が発展途上国であった場合でも「あの国では純金だったのに、今回は金メッキじゃん」などの不公平感が生まれないためのアイデアなんです。

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