ウレタンマスクの超アップ画像に「すかすかだ」「すごい説得力」 小5の夏休み研究にネットで称賛の声

竹内 章 竹内 章

新型コロナワクチンの累計接種回数が1億回を超えましたが、マスクは引き続き手離せないアイテムです。そんな中、ウレタンや不織布など素材ごとに顕微鏡写真を比べた小学生のマスク研究が話題です。どのタイプのマスクが効果的か一目瞭然。5年生の着想に「タイムリーで素晴らしい」「こんなに違いがあるんですね」「すごい説得力」とSNSユーザーが反応しています。 

「小5長女の今年の自由研究、不織布マスク・ウレタンマスク・布マスクを顕微鏡で見てまとめてた」とツイッターユーザーのRomy(@romyscafe)さんがツイートした後に、ウレタン、不織布、ポリエステル94%・ウレタン6%、ダブルガーゼ、ダブルガーゼ5枚重ねの顕微鏡写真を投稿しました。

 

以前から、布製やウレタン製は医療用のサージカルマスクや不織布製に比べ、感染リスクを低減できないことが知られています。豊橋技術科学大学や理化学研究所のスーパーコンピューター富岳のシミュレーションでは、吐き出す飛沫量と吸い込む飛沫量において、不織布マスクではマスク非着用時に比べそれぞれ20%、30%にまで量を抑えられますが、ウレタンマスクでは50%、60~70%。飛沫を抑える性能は、不織布>布、ウレタンといえます。 

顕微鏡写真は文字通りこれを可視化したもので、50倍写真を並べると、不織布に比べウレタンはすかすかで粗さが目立ちます。ポリエステル94%・ウレタン6%、ダブルガーゼも同様で、まるで穴が開いているような状態。ダブルガーゼ5枚重ねでようやく大きな穴がふさがるように見えます。ウレタンと不織布の画像を並べたツイートには、2万を超えるいいねがつき、「薬局ですが、店頭の掲示で使ってよろしいでしょうか」「実際顕微鏡で見ると、ほーっとなりますね」「ウレタンマスクしてる人見かけたから是非これを見せてあげたい」などの声が上がりました。

 

Romyさんによると、一番好きな科目が理科という長女さんは、進研ゼミ8月号の付録の顕微鏡を心待ちにしていたそう。というのは趣味が裁縫で、さまざまな種類の布の観察を考えていたそうです。不織布マスクと布マスクも撮影していたので、「ウレタンマスクも見てみたら」とアドバイスしたそうです。Romyさんに聞きました。

―着眼点が称賛されています

「いつも、身近な物ごとに対するちょっとした疑問が出発点になっています。3年生の自由研究は「フリーズドライ食品のしくみ」、4年生の自由研究は「ヌマガエルのエサやり実験」でした」

―マスクの研究結果について長女さんは

「ウレタンマスクはもともと持っていなくて、布マスクを愛用していました。今回の結果を見て、短時間でも人の多いところへ外出するときは不織布マスクをつけるようになりました。また、Twitterに写真を上げたことで、不織布マスクは静電気による捕集効果が高いことを多くの方に教えていただけたので、その点も自由研究に書き加えるとのことです」

―ご家庭ではコロナ禍についてどんな話をしていますか。

「不要不急の外出は避けよう、人と会うときはマスクをしよう、手洗いをしっかりしようということは話していますが、手洗いの仕方や黙食などは学校でかなりしっかり指導していただいているようで、親が教わることも多いです」

「ウレタンがダメなのではなく不織布が優秀なんですよね。分かってはいたけれど、涼しくて快適なほど防御率は落ちる」とRomyさんがツイートしているように、今回の自由研究は「不織布以外のマスクは認めない」と結論付けるものではありません。不織布マスクは密閉性が高い分、息苦しさを感じる傾向もあります。呼吸器や皮膚が弱く不織布を使えなかったり、距離を確保した上でのジョギングなど運動用などで通気性の良いウレタンマスクを選んだりする人もいます。専門家は「密な場所や病院など、より注意が必要な場所では不織布、換気の良い場所で長時間使う場合はウレタン」と使い分けを提案。「鼻を覆わないなど誤った着用で性能は大幅に低下する。材質より正しく使う方が大切」とも指摘しています。

場所や注意点を守って正しく着用するのが望ましいマスクの使い方。自由研究が話題になったことを、長女さんは「たくさんの方々に写真を見てもらえて、参考になったという感想をもらえてうれしい」と話しているそうです。

Romyさんのアカウントはこちら→https://twitter.com/romyscafe

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