「乗るのに勇気がいるエレベーター」がSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのはチェコフィルハーモニー主席フルート奏者の佐藤直紀さん(@fuesou)の投稿。
このエレベーターはパーテルノステルと呼ばれる、乗用かごが常に循環するタイプのエレベーター。19世紀末に発明されたもので、利用者は自力でタイミングを見計らいダッシュ&ジャンプで乗り降りするのだそうだ。
安全に利用できるか否かは自分次第…このスリリングなエレベーターに対し、SNSユーザー達からは
「エレベーターアクションみたい!」
「30年前デュッセルドルフのオフィスにありました。今もあるのか!大縄に入れる人なら大丈夫」
「ウィーン大学にありました。最上階や地下階で降りないでぐるっと回るのを楽しんだり、2人定員なのに4人乗ってみたりして、遊んでました。若気の至り」
「怖い。乗ったはいいが、出るのを失敗したらどうなるのだろう…」
「エクソシスト2だったかオーメン2だったかに登場していました 不安を煽るいいスパイスですよね」
…など数々のコメントが寄せられている。
佐藤さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):このエレベーターはどちらに設置されているものでしょうか?
佐藤:チェコ共和国の中部に位置するフラデツ・クラーロヴェー(Hradec Králové)の外国人局のある役場に訪れた際に私が撮影したものです。
中将:東欧ではこのタイプのエレベーターはよく見られるのでしょうか?
佐藤:東欧のみならず、ヨーロッパの公共施設にはまだ現役で動いているものも多くあるようです。数年前私はドイツのハンブルクという町に留学していました。ドイツの中でもベルリンに次ぐ大きな裕福な町でしたが、そこの外国人局のエレベーターもこのタイプのものでした。
中将:乗り心地はいかがなのでしょうか?
佐藤:初めて乗ったときは怖かったです。スーパーファミコン時代のマリオを思い出しました。ゲームなら残機があれば復活できますが、私はもう残機が無いので必死に乗り込んで滞在許可証の申請に行きました。あと、箱に乗り込もうと待っていて下から人が乗ってきた時は向かい合いになって少し気まずいです。
中将:このタイプのエレベーターならではですね(笑)。これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください
佐藤:たくさんのコメントやいいねをいただき、大変ありがたい気持ちです。同時に、頑張って書いていたブログは全く伸びず、適当に撮った動画や写真ばかりバズるので複雑な気持ちにもなります。あと、このエレベーターの「パーテルノステル」という名前はSNSのコメントで初めて知りました。
◇ ◇
日本では建築基準法などの関係でまずお目にかかれないだろうパーテルノステル。なんとしても乗りたいという方はヨーロッパ旅行を検討されたい。
なお、なぜか今回エレベーターで大注目を浴びた佐藤さんだが、やはりその本領はフルート。ブログ「フルート吹きの休日」ではフルート奏者としての貴重な経験やヨーロッパでの生活について紹介されているので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
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