「殺処分が多いので…猫を探すなら絶対に保健所から」交通事故で母親を亡くした子猫との出会い

渡辺 陽 渡辺 陽

ねねちゃん(1歳・メス)は、母猫を交通事故で亡くした3匹の子猫のなかの1匹だった。2020年5月12日、長野県のとある住宅地に住む人が、近所の道路脇に小学生が集まっていたので見に行くと、大人の猫が車にひかれて死んでいた。その直後に、自宅の車庫で3匹の赤ちゃん猫がお腹をすかせているところを発見、保護したという。どうやら車にひかれた大人の猫が母猫のようだった。子猫のなかにはまだ目も開いていない赤ちゃん猫もいて、とてもすぐには里親探しができる状態ではないと思い、それまで猫を飼った経験はなかったが、インターネットなどで猫の飼い方を調べたり、獣医師に相談したりしながら、なんとか1カ月自宅で育て、保健所に里親募集の依頼をしたそうだ。ねねちゃんたち兄弟は、里親が見つかるまで保護主が預かった。

猫を迎えるなら保健所から

長野県に住む小林さんは、小学4年生の時に初めて野良猫をひろって以来、結婚して子供を出産し、その子供が2歳になるまでの18年間、その猫と一緒に暮らしてきた。その後、育児に追われ10年ほど猫がいない生活を送っていたが、猫が大好きで、育児もひと段落したため、家族で話し合い再び猫を迎えることにしたという。

新聞の「子猫もらってください」という記事を見て、まだ生まれたばかりの子猫をもらった。14年間一緒に暮らしたが、その猫は一昨年病気で亡くなってしまい、小林さんはペットロスになったため、新たに猫を迎えることにしたという。

「保健所で殺処分されてしまう猫が多いので、猫を探すなら絶対に保健所からと思っていました」

仕事から帰るとニャーニャー大声で迎えに来てくれる

2020年6月11日、小林さんは保護主とスーパーの駐車場で落ち合ってねねちゃんを見せてもらった。写真ではキジトラに見えたが、実際は三毛猫だった。それでも今まで飼ってきたすべての猫の毛色が入っているねねちゃんを可愛いと思い、そのまま連れて帰った。ねねちゃんは3匹兄弟だったが、みんな里親が決まったという。

ねねちゃんは家に着いてもあまり動じない感じで、用意しておいたトイレですぐに用を足し、遊んだり、喉をゴロゴロ鳴らしたりしてリラックスしていた。

ねねちゃんの前に一緒に暮らしていた先代猫の名前が「ななちゃん」で、呼びやすく愛着があったので平仮名2文字の名前にしたという。

ねねちゃんはツンデレで、猫らしい自由奔放なところと甘えん坊なところがある。ネズミのオモチャを投げると咥えて持って来る遊びが好きで。毎日やっているそうだ。仕事から帰ると玄関までニャーニャーと大声で迎えに来てくれるのが小林さんの毎日の楽しみなんだという。

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