公園で小学生に保護された子猫、空き教室で飼うもバレ…「もう!連れて来なさーい!」引き取られた家で幸せに

渡辺 陽 渡辺 陽

おりーぶくん(11歳・オス)は、小学生の男児が公園で保護。しばらく担任と子どもたちが空き教室や、車庫に置かれたコンテナに入れて飼っていた。中山さんは、同じクラスだった長女から話を聞いたが、どうやら誰も猫の飼い方が分かっていないようだった。猫好きの中山さんは不安になった。

 

空いた教室で飼っていた子猫

おりーぶくんは、2010年6月の夏至の日に山形県に住む中山さんの家に来た。中山さんの長女のクラスの男の子が、学校近くの公園で保護した猫だった。学校の使われていない教室で、担任含めクラス皆で面倒見ていたようだった。しかし、詳しい猫の飼い方も分からず、土日は担任が家へ連れて帰ったものの夫に怒られ、猫は車庫に置かれた50センチほどのコンテナの中に入れられた。そのうち他のクラスの子にもバレて、図書袋に入れて連れて帰ろうとした子までいたという。猫好きの中山さんは、えさやトイレのことなどが不安で、長女にアドバイスしていたが、心配でたまらなくなった。

そのうちに学年の宿泊学習の日が近づき、猫の面倒を見る人がいない!ということになった。「もう!我が家に連れてきなさーい!引き取ります!」と中山さんは言った。

初日から先住猫と一緒に寝る

担任の先生が子猫を連れてきてくれた。先生によると、それまではコンテナを2つ合わせてガムテープで固定した中で飼っていて、与えていたのは牛乳と缶詰だけだった。中山さんは、「引き取って良かった、もう大丈夫!任せてください!」と思った。子猫は生後1か月くらい。まずはケージの中で様子を見ようと思ったが、小さすぎたのでケージのすき間から脱出。怖がる様子もなく、いつの間にか2匹の先住猫と一緒に寝ていた。先住猫も警戒することも嫌がることも無かった。

日本風の名前にしたくて、家族から出た候補は、げし、げん、みりん…。でも顔が洋風だったのでしっくり来なかった。色鉛筆セットを見ていたところ、毛色がオリーブ色の色鉛筆とそっくりだったため「おりーぶくん」という名前にした。

猫は大事な癒しの存在

おりーぶくんは、のんびりしていて、いつもぼーっとしている感じ。お腹空いた時に静かに一声鳴くくらい。ヨーグルトが好きで、中山さんが食べていると横でじーっともらえるのを待っている。いつも先住猫のこぼんくんと一緒に行動しているが、留守番中は、3匹のなかでも一番のいたずらっ子に変身。ビニール袋の取っ手を食べてしまうのは本当に困っている。吐いたり、そのままウンチで出るが、なるべくビニールの物は置かないように気をつけているそうだ。

先住猫に加え、おりーぶくんを飼ったことで、子どもたちがしっかりしたという。仕事を任せていたわけではないが、餌やりやトイレ掃除など、嫌がらずやってくれた。中山さんは、動物に興味を持ち、好きになってくれたことを嬉しく思っている。

「学校で嫌なことがあったり、大変なことがあったりしても、猫は子供たちにとって大事な癒やしの存在であったと思います」

家を出た二人の娘さんは、なかなか帰省できない今、「猫に会いたい、猫に会いたい」とよく言っているという。

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