“聴力のピント”に着目し、聴く力の向上を図るワイヤレス集音器「able aid」が、8月10日から大手家電量販店などで店頭販売を開始する。補聴器の普及率が欧米諸国(30〜40%)に比べて低いとされている日本(14%)で、雑音と「サー」という機械音を最小化するなどの最新技術によって難聴者や聴覚情報処理障害(APD)を抱える人たちの課題解決に取り組む。
開発したのは、2017年創立のベンチャー企業「freecle Inc.」(東京)。「難聴の家族を助けたい」という共通の思いを持つスタッフ6人が中心となり、特定方向以外のノイズを99%軽減する「発話者フォーカス機能」を軸に、独自のヒアラブルデバイス「ableシリーズ」を展開している。
最大の特長は、周囲の騒音を軽減して目の前にいる相手の声を強調できる独自の機能。聴きたい音を選ぶ“聴力のピント”を合わせることで、使用者の「聴こえづらい」「認知しづらい」といった悩みを軽減するという。フォーカス機能の強弱は、専用アプリで調整することができる。
さらに、自身の声の拡声を抑える「マイボイスキャンセリング」機能や、不快な耳鳴り音を自動的に抑制する「ハウリングキャンセリング」機能なども搭載。実際に使用した人からは「にぎやかな場所で効果を実感した」「音質の不安はアプリで解決できた」「APD患者として重宝している」などの声が寄せられているという。
freecle社は「日本で補聴器の普及率がなかなか向上しない要因として、『にぎやかな場所で使うのが困難』『価格が高い』などの課題が指摘されている。このアイテムが気軽に利用できる解決策のひとつとして難聴者の役に立つことができれば嬉しい」と力を込める。
税別3万9800円。ネットでも購入できる。
【able aid公式サイト】https://able-hear.com/